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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
松本大洋のコミックを映像化したアニメーション。原作は未読です。 『鉄筋コンクリート』ではなく、てっこんきんくりーと。なんてユニークなタイトルだろう。 近未来の日本“宝町”を舞台に、そこに生きる親を知らない2人の悪童少年クロ・シロが、不穏な再開発計画に反逆する姿を描く―――。 クロがシロの保護者となり、かつあげやかっぱらいをしながら、助け合って生きてきたふたり。 ある日、昔なじみのヤクザ “ネズミ”が街に戻ってきて、ずっと変わらなくみえた宝町に、再開発という名目の不穏な動きが見え始める。 背後にチラつく謎の男“蛇”の影。 やがて、自分たちの街を守ろうと抵抗を始めたクロとシロにも、冷酷な“蛇”の魔の手が迫るのだった。 『スワロウテイル』や『千と千尋の神隠し』『CASSHERN』『イノセンス』『オネアミスの翼』、日本が近未来や異次元を描くと、猥雑で混沌としたものが多い気がする。 その五月蠅い街並みや、世界観が好きな方には、“宝町”はきっと魅力的な舞台。 ちょっと癖のある絵で描かれた、奇抜な登場人物たち。ありえなさの数々も、意外とダークなところもおもしろい。 子ども騙しに見えて、じつは子どもの彼らが、命がけで悪と闘ったり、自分自身のもうひとつの人格と闘ったりしている、過酷な物語なのだ。 忠誠心とか信頼とか、大事なものをしっかり描いていたりするところも好印象。 ヨゴレと無垢と、並べて描く作品はいい。本編では無垢の代名詞であるシロと、闇の側面を持つクロの、魂からの叫びがともにせめぎ合っている感じがとっても良かった。 クロはシロの為に存在(い)て、シロはクロの為に存在(い)る―――。 切なくもぬるまゆい気持ちになる、異色の良質アニメーションだと思う。 声優さんは有名どころが勢揃い。素人ぽさが、この作品には意外と良かったりする。 平目みたいなシロが、蒼井優の超脱力な声を受けて、すっごく可愛くなってしまうところもグッドなのだ。 シロはずっと女の子だと思って見てたけれど男の子だった! どっちにしろかわいさに変わりなしか。 大人も子どもも楽しめる作品だった。 監督 マイケル・アリアス アニメーション制作 STUDIO4℃ 原作 松本大洋 『鉄コン筋クリート』 脚本 アンソニー・ワイントラーブ 音楽 Plaid 声 二宮和也 蒼井優 伊勢谷友介 宮藤官九郎 大森南朋 (カラー/111分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.14 22:07:34
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