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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
解説で椎名誠さんは言う。 ――インドはまことに不思議な国なので、なんとなく行けば誰でもなにがしかのことは書ける―――。 私もそう思う。 国別に書かれた関連本で、一番多いのはインドなのだ。 たかのてるこさん、磯部 和子さん、中谷美紀さんの見聞録は、どれもなかなかに面白かった。 ただ物足りなさは残って、いつも次のインド本を探していた。 だから、本書を開いた時の感動ったらなかった。 たぶん、もうしばらくは、他のインド旅行記を探さないだろう。 努力と執念と好奇心に溢れた、全ページ手書き(文章も!)の本書は、四半世紀経った今でも、わたしたちにインドの姿を分かりやすく伝えてくれる。 インド旅行では、往々にして考えさせられ、度肝をぬかれるような出来事に出会うだろう。 つい後の旅行記で、読みぐるしい言葉を綴りたくもなるのかもしれないが、河童さんの態度は違う。 堂々たる感受性の塊で、どんな経験をしても、きっちりと五感で受け止めて、緻密な絵と文章に昇華される。 行くならほんとうにさりげなく行って、そして帰って来たいなぁとひしと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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