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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:本
いま、読みすすめているのは梶井基次郎の『檸檬』で、先日まで読んでいたのは飯島正の『フランス映画史』。 ふたりの間に、偶然、おもしろい繋がりを見つけてしまった。 大正8年、第三高等学校で同室同士だったのだそうだ。 ふたりの文学青年はまったく別々の道を歩んでいく。 映画評論家となった飯島氏は1996年没の大往生、作家となった梶井基次郎はわずか31歳の若さでこの世を去った。肺結核だった。 基次郎の命日は3月24日。偶然にも私の誕生日とおんなじだー。この日を「檸檬忌」というそう。 『フランス映画史』 1950年刊行というから、半世紀も前の古い本、これを今更読もうなんて、よほどのモノ好きだなぁ、と我ながらに思う。 フランス映画が、いかにしてフランス映画の個性を身につけていったのか、リュミエール兄弟の時代から丁寧に教えてくれるので、なるほどだった。 フランス映画と言葉、トーキーへの対応、芸術と映画の関係、前半はほんとになるほどーの連続だった。 それぞれの監督について、作品を挙げて言及していく中盤あたりからは、しかし一気に興味がしぼんで流し読みしただけ。 ただ大好きな『天井桟敷の人々』のマルセル・カルネについては、多くの頁を割いていてまた夢中になる。 ということで、半分は素通り状態だったわけだけど、、。 フランス映画の難解さも、饒舌も、これからさらに楽しめそうな気がした。 同じようにどんな国もね、国民性や時代を知らなくちゃ、おもしろみ半減となることを実感。うすっぺらな知識じゃだめねぇ、と思う。 ところで『天井桟敷の人々』は、原題の直訳で『楽園の子供たち』というタイトルで紹介されているので、はじめわからなかったよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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