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2010.10.02
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カテゴリ:フィンランド映画

 とある食堂で始まった何やらあやしげな男たちの会合。男たちの名は皆フランク。彼らは、イカ墨同盟=<カラマリ・ユニオン>のメンバーで、貧困と絶望のこの街に見切りをつけ、理想郷=<エイラ>を目指して旅立つことを決める。ルートも手段も問わず、それぞれにエイラを目指すのだったが、道のりはあまりにも険しい。やがて一人また一人とフランクが消えていく。はたしてフランクたちは無事、エイラにたどり着けるのか―――?


 カウリスマキ監督の長編第二作目。弱冠28歳で撮りあげた、十八番のロードムービーは、後の作品の片鱗をうかがわせる楽しさだ。
なにも持たず、身ひとつで<エイラ>を目指すフランクたちの、潔良いことといったら!
浮雲のように留まれない主人公たちが、それぞれに理想郷に向かう途中で、あえなく?命を落としていく様は超シュール!
ここでしか出会えない魅力に溢れている。
先日の『愛すべき女・女たち』もアンニュイであったが、それとはまた別の倦怠、対照的なおもしろさなのだった。
内容は、ありそうでない。いい加減だし、ハチャメチャだし、どこまでもおふざけを貫く可笑しさが、とても好き。
定石どおり海に辿りつき、最後のふたりとなった<フランク>が理想郷目指してボートを奪い合うあたりまで、もうすでにあまり思い出せないのだけれど・・・(笑)とにかくフィーリングで楽しませてくれる小品だった。

突如、バーで歌いはじめたフランクたち面々。『レニングラード・カウボーイズ』でもそうなように、映画に融合した音楽というのは魅力的だと思う。


†   †   †



 [監督・脚本] アキ・カウリスマキ [音楽] カサブランカ・フォックス [出演] マッティ・ペロンバー/プンティ・ヴァルトネン/サッケ・ヤルヴェンパー/ピルッカ=ペッカ・ペテリウス 

   (モノクロ/80分/calamari union)







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Last updated  2010.10.05 22:05:05
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