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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:フィンランド映画
とある食堂で始まった何やらあやしげな男たちの会合。男たちの名は皆フランク。彼らは、イカ墨同盟=<カラマリ・ユニオン>のメンバーで、貧困と絶望のこの街に見切りをつけ、理想郷=<エイラ>を目指して旅立つことを決める。ルートも手段も問わず、それぞれにエイラを目指すのだったが、道のりはあまりにも険しい。やがて一人また一人とフランクが消えていく。はたしてフランクたちは無事、エイラにたどり着けるのか―――? カウリスマキ監督の長編第二作目。弱冠28歳で撮りあげた、十八番のロードムービーは、後の作品の片鱗をうかがわせる楽しさだ。 なにも持たず、身ひとつで<エイラ>を目指すフランクたちの、潔良いことといったら! 浮雲のように留まれない主人公たちが、それぞれに理想郷に向かう途中で、あえなく?命を落としていく様は超シュール! ここでしか出会えない魅力に溢れている。 先日の『愛すべき女・女たち』もアンニュイであったが、それとはまた別の倦怠、対照的なおもしろさなのだった。 内容は、ありそうでない。いい加減だし、ハチャメチャだし、どこまでもおふざけを貫く可笑しさが、とても好き。 定石どおり海に辿りつき、最後のふたりとなった<フランク>が理想郷目指してボートを奪い合うあたりまで、もうすでにあまり思い出せないのだけれど・・・(笑)とにかくフィーリングで楽しませてくれる小品だった。 突如、バーで歌いはじめたフランクたち面々。『レニングラード・カウボーイズ』でもそうなように、映画に融合した音楽というのは魅力的だと思う。 [監督・脚本] アキ・カウリスマキ [音楽] カサブランカ・フォックス [出演] マッティ・ペロンバー/プンティ・ヴァルトネン/サッケ・ヤルヴェンパー/ピルッカ=ペッカ・ペテリウス (モノクロ/80分/calamari union) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.05 22:05:05
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