|
テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:フランス映画
エンキ・ビラル監督は、『バンカー・パレス・ホテル』だけ観ている。 当時の感想を読むと、「若干緩い、微妙にちゃちい、グダグダ」・・・・などという言葉が並ん でいるものの、世界観はいいと書いていた。いかにもフランスらしいSF。SF観るならハ リウッドに限る―――そんな気にさせられてしまうのが実におかしい。 近未来の退廃した世界と、原作者でもあるビラル監督が思い描くビジュアルの妙はスバラ シイ。しかし、これだけ退屈な思いは久しぶり。
2095年、ニューヨーク。反逆罪で死刑を宣告されている古代エジプトの神ホルスは、他の 神々に赦しをもらい、神の子を宿せるという伝説の青い髪の美女ジルを探すため、下界 へ降りてきた。30年の眠りから覚めた政治犯ニコポルの身体にのり移り、彼女に近づき 思いを遂げるのだが・・・・。
猶予は7日間・・・・。これを過ぎるとホルスには死が待っている。しかし、そもそも神が死 刑になるなんて、よくわからない世界なのだった。 天上のピラミッドにいる神々たちも滑稽で、ビジュアル映画といわれればそれまでだけれ ど、もう少し内容がおもしろくあってほしかった。
登場人物は、3人だけ生身の人間が演じていて、あとはみんなCG。そのせいで違和感倍 増。いったいどんな意図があるのか、『CASSHERN』の紀里谷氏と同列に語っては叱ら れるかもしれないが、映像を駆使できると、ありのままに見えている世界が単調でつまら なく思えてしまうのだろうか。すべて作り物のCG世界にのめり込むことができないわたし は、生身の人間や自然が作り出すリアルにこそ魅力を感じる。
そんな中、謎の女ジルの青い髪とメイクはとても魅力的だ。演じているリンダ・アルディに 救われている場面多々。彼女が唯一頼っていた黒ずくめの男の正体は、いったい誰だっ たんだろう・・・・内容を半分も理解できていないことが物語る、つまらなさか。 『ティコ・ムーン』はおもしろいといいな。
† † †
(104min)
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.11 17:08:46
コメント(0) | コメントを書く
[フランス映画] カテゴリの最新記事
|