韓国・ソウルを舞台に、ストリートで生きる無軌道な若者とホームレスの姿を
活写した問題作。
参加型、実験的。そんな作品は参加したいと思えなければ、往々にして楽しめ
ない。わたしは早々に投げ出したくなったけれど、その先のなにかを期待して、
とりあえずエンディングまで観た。でもなにもない、カタルシスもない。
ストリートの若者たちが創作した短い物語を、ドキュメンタリータッチで映像に
した異色作。創作アニメーションなんかも使い、やや変化はあるけれどイライ
ラが募った。演じているのはストリートの若者たちと本物のホームレス。ノンフ
ィクションに近いぶんだけ、嫌悪と不快の度が増す。不毛な時間がただただ過
ぎていく・・・そんなどんな意味も見つけられないような長い2時間だった。
ここに出てくる韓国の風俗はヒドイ。 韓流ブーム熱に浮かされた人には、見たく
もないような姿なんだろうな。撮影から10年経って、ずいぶん変わっていても、こ
の不健康でアンニュイな日常は、掃き溜めで蠢く見たくないものそのもののようで
つらかった。
日本と違うのは、暴力がある風景かと、ふと思う。血の気の多い国民性が垣間み
えるそんな作品でもある。男が女を殴るシーンなんて見たくもない。
出演する若者たちのニックネ―ムは、以下。美女、鳥頭、プリンス、血便男・・・・
なんかみんな・・・悲しくなるようなネーミング。