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カテゴリ:本
『沈黙』 遠藤周作
またすごい本を読んでしまった。。遠藤周作さんの作品で深く感動するのはこれで何 度目だろう。「深い河」「イエスの生涯」、そして「沈黙」。宗教に沿った一連の作品は特に 素直にこころを動かされてしまう。
キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝 いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。 (BOOKデータベースより)
狐狸庵先生のたのしいエッセイとはひと味違った渾身の作品。抉るような痛みと、深みへ のダイブ。わたしは遠藤周作の考える神の存在がすごく好きだ。 一神教の神をどうしても正しく信仰できない日本人は、まさしく自分のなかにある。迫害の なかひたすら神の沈黙に疑問を投げかけた宣教師の出す答えに、痛々しくも崇高な思い がする。 当時の文献など用い、史実に基づいた絵空事ではない真実は、キリシタン迫害の時代を 知るのにも役立ちそう。
『3652』 伊坂幸太郎
このごろ、伊坂作品をまったく読んでいなかったことに気づく。趣向を凝らした文章は、 あるていど読むと食傷気味になってしまうのだろうか。 読むものがなくて、家人の買ったこちらをたまたま手にとったら、また伊坂作品を読みた いなーと思った。
デビューから10年、あらゆるシーンで綴ってきたエッセイの集大成。 365日×10年+うるう年=3652、これがタイトルの由来。 年代別に並んだエッセイのなかには、おすすめ本もたくさん載っていて、紹介文が巧いも のだから、ついそちらへの興味が膨らんでくる。きょう、さっそく図書館へ出向いて、
『ぬかるんでから』 佐藤 哲也 、 『激しく、速やかな死』 佐藤 亜紀
を借りてきた。あと3冊予約中。メモした作品は10冊ほど、どれもすごく期待できそうで、し ばらくは図書館通いが続きそうな予感。伊坂作品を読むのはそれからにしよう。
そういえば伊坂氏の物語のなかに映画好きを感じさせる箇所がいくつもあるのだけれど、 「黒澤」という男が黒澤明を意識したものではなく、黒沢清なんだと知って驚いた。 『アカルイミライ』が好きとか、映画について書いているページも多くて興味津々。
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