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2011.09.01
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カテゴリ:スウェーデン映画

336922_01_02_02.jpg

 スウェーデン発の一大ミステリー巨編『ミレニアム』シリーズの最終章。監督は前作『火と戯れ

る女』につづきダニエル・アルフレッドソン。

900ページに近い原作を、大胆に割愛しながら、男女間の色恋を主に省いて、2時間半にまと

めた第3弾は、ムダのない法廷物にまとまっていて完結編に相応しい後味だった。すべての黒

幕が明らかになる。

 前作で、宿敵ザラと対決して瀕死の重傷を負ったリスベットは、一命を取り留め病院で目覚

める。厳重監視の病室で、担当医に護られながら、日に日に回復していくリスベットだったが、外

部との接触は限られていた。

おなじころ、ミカエルは、妹の弁護士アニカに彼女の弁護を依頼、自らは雑誌『ミレニアム』を

通して脈々と続く国家の陰謀とリスベットの無実を暴露する準備をはじめるのだが・・・。国家的ス

キャンダルを闇に葬ろうと、秘密組織の面々は精神科医テレボリアンと共謀し、リスベットを精神

病院送りにするべく狡猾に立ち回っていく――。

336922_01_03_02.jpg

スケールのわりに地味さを保っているのが味わい深さ。スウェーデンらしい寒々とした北欧の

空気感がいいのだ。

幼いころからずっと、国家権力や地位ある者に踏みつけにされてきたリスベットは、合法的に

復讐を遂げた――あまりにも壮絶な過去の体験は、彼女の心をたしかに病ませて、孤独にして

しまったけれど、今回は特にひとりで闘っているわけじゃないことがわかる。ミカエルをはじめ、

彼女を気にかけて手を差し伸べた人々の存在にも、この物語は救われている。

ちなみに、彼女の理解者たちが巨悪に立ち向かうために結成したチームの名が、サブタイトル

<狂卓の騎士>なのだけれど、本作には一切登場していない。

 

作者スティーグ・ラーソンはジャーナリスト、原作は社会派ぽいが、改めて映像になったものを

観ると、まがいもなくエンタテイメント作品だ。

とにかくミカエルの女性遍歴がおかしくて、ひとりツッコミを入れながら読んでいたのだけれど、

『火と戯れる女』『狂卓の騎士』へと、回を追うごとに映画では割愛されていったのでひと安心(笑)

デヴィッド・フィンチャー監督によるハリウッドリメイク版『ドラゴン・タトゥーの女』は来年2月公開

予定。

†       †       †

監督/ ダニエル・アルフレッドソン
     
原作/ スティーグ・ラーソン 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』
   
  出演/ ミカエル・ニクヴィスト  ノオミ・ラパス  アニカ・ハリン

      (カラー/148min/スウェーデン=デンマーク=ドイツ合作)


 





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Last updated  2011.09.03 10:51:54
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