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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
時おり強く降る雨に落ち着きなく外を眺めている間に、ヴェランダが冠水していました。どうなることかと思ううち、みずは数時間で引いていったけれど。 ゆっくりと台風の近づいてくる雨天つづきの週末は、思う存分DVD観たり本を読んだりして過ごすのがいい。 はじめて読む連城 三紀彦さんの『恋文』は、そんな週末に触れたどの本よりも映画よりも印象深かった。随分まえの短編オムニバス小説で、『恋文』はドラマと映画になっている。どちらも観ていなかったわたしは、今ごろ切なさに泣いているのだけど。 そもそも連城氏を読もうと思ったのは、伊坂幸太郎がエッセイでおすすめしていたような記憶と、『少女』(奥田瑛二監督)の原作者だったから。偶然手を伸ばしてみてホントによかった。 「恋文」「紅き唇」「十三年目の子守唄」「ピエロ」「私の叔父さん」 それぞれに、ちょっとしたサプライズがあって、切ないあったかい伏線が廻らせてあって、久しぶりに小説読むのをやめられなくなってしまった。気づくとすべてのお話でほろりと泣いていたようにおもう。ぜんぶがステキ。 小説のなかの出来事は、作者の現実に見たり体験したことが元になっていて、台詞も聞いたそのままに拝借してると"あとがき"にあった。こんなにも強い人の魅力をそなえて生きている主人公たちを描く作者は、きっとステキな人に違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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