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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
先週末、劇場へ足を運んだ、道民の道民による道民のための(?)エンタテインメント。 原作者は札幌在住、舞台はススキノ、主演は大泉洋―――と思い入れによって面白さが分かれそうなこの作品。 知ってる場所ーとにんまりできる観客で館内は大入りで、あまり経験したことのない臨場感を楽しんだ。笑いどころやざわめきが、どことなしか温かい。 (あらすじ) 札幌のススキノで探偵稼業を営む"俺"(大泉)。携帯電話を持たず、もっぱら仕事の依頼は行きつけのBAR“ケラーオオハタ”の黒電話に掛かってくる。 ある夜、“コンドウキョウコ”と名乗る女からの奇妙な依頼が舞い込む。仕事を引き受けたはいいが、その筋の男に殺されかけた"俺"は、腹の虫が収まらずに、キョウコの依頼とは関係なく独自で調べを進めていくのだが、その過程で謎の美女・沙織(小雪)を巡る不可解な人間関係と陰謀の事件に行き当たる・・・・。 TVシリ-ズ「相棒」のスタッフが手がけているだけあって、探偵とグータラな相棒・高田(松田)の掛け合いがとても楽しい。 "北菓楼のおかき"を愛する武道(けんか)の達人・高田は、北大の講師が本業なのだが、アルバイトで探偵の運転手もしているという設定だ。松田龍平の飄々とした演技が妙にはまっている。 後にも先にも惜しいのは、大泉洋にはどうしてもシリアスが似合わないこと。二枚目ぶりがくすぐったい。ふたりの配役が逆でも、おもしろかったかもしれない。 冒頭、大物実業家・霧島(西田)は、悪漢に襲われている女性を助けようとして殺されてしまう。謎の美女・沙織は、霧島の自慢の妻だった。 一年後、奇妙な依頼主コンドウキョウコの一件と、霧島の死が絡み合っていく――ありきたりで予測可能とはいえどハードボイルドな展開が待っている。 笑いありアクションあり、手放しで楽しめる娯楽作品。全体通して小ぶりで、驚くようなことはないけれど、見慣れた街で繰り広げられる探偵ものは、自ずと好評価したくなるのだった。 侮れないのが出演者たちで、田口トモロヲ、竹下景子、石橋蓮司、高嶋政伸などなど豪華だ。 歌手として出演もしているカルメン・マキのエンディング曲が、映画を観終えた心象にぴったり。冬の北海道の情景にとても似合っていた。 監督 橋本一 原作 東直己 『バーにかかってきた電話』 脚本 古沢良太 須藤泰司 出演 大泉洋 松田龍平 小雪 西田敏行 (カラー/125min) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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