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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イギリス映画
地球上の全大陸でロケを敢行し、撮影日数のべ3000日、総製作費35億円というかつてないスケールで製作されたBBC EARTHのネイチャー・ドキュメンタリー・プロジェクト"ライフ"の劇場版。多種多様な動植物が見せる感動的ないのちの物語を、最先端技術を駆使した驚異の映像で映し出す―――。 数多く作られている動物ドキュメンタリーのなかで、好きだったなぁーと思い出すのは『ミクロコスモス』と『WATARIDORI』だろうか。 昆虫や渡り鳥に焦点を絞ったぶんインパクトが残っている。 本作は、もっと大きな視点で地球上に生きる動植物たちの営みを見つめる。 「皇帝ペンギン」「オーシャンズ」「ディープ・ブルー」「北極のナヌー」「アース」・・・・数々の動物ドキュメンタリーものに、人間の存在を考えさせられる最新作が生まれた。 生き方を変えてしまうほどの、100%の真実 ちょっと大げさなコピーだけれど、クギづけになる映像の数々が、ドラマチックに編集されているので楽しめる。 未だかつて見たこともない――とまではいかなくても、シンプルにただ生きる動物たちのありのままの姿は、揺さぶられるなにかを持っている。 生きるためだけに食べ、子孫を残し、そして死んでいく。 ずいぶん複雑に進化してしまった動物・人間が悲しい生き物のように思えてくる。 もしも人間に知能や理性や欲望がなければ、地球の姿もいまときっと違っていたはずだ。 人間としての性はどうしようもないけれど、野生動植物たちの目線にもっと近づいて生きることはできる。そうすれば地球の未来はきっといい方向へ向かっていくのかもしれない。 今週末、ミニシアターの『蠍座』では、映画で「食」を考えるをテーマに『不食の時代』『ファーストフード・ネイション』『いのちの食べかた』が上映されている。 どれも飽食の時代に考えされせられる作品のよう。 生きるために必要なぶんだけしか食べない生き方を、きちんと選ばなくてはいけないなーと、改めて思った。 面白かったのに、劇場で久しぶりにウトウトしてしまったのは、驚くようなシーンを並べるより、じっくりと動物たちの生きる姿を描いていたからに違いない。奇をてらうことないシンプルさ。 松本幸四郎、松たか子親子のナレーションは心地よく、落ち着いて聴いていられた。 監督 マイケル・ガントン マーサ・ホームズ (カラー/85min/ONE LIFE) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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