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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:スウェーデン映画
『ある結婚の風景』の続編として、わざわざ30年後を描いた真意はわからないけれど、前作を見ていれば感じるところがあったのかも。(わたしは未見) 胸を抉る壮絶さは衰えをしらず、この辛さだけはベルイマンだなぁとおもう。 (あらすじ) 63歳になるマリアンは、かつて夫婦だった元夫ヨハンが住む森の中の別荘を30年ぶりに訪れる。2人は過去の軋轢を感じさせない親密さをみせる。そんなヨハンは、別荘のそばに暮らす前妻との間の息子ヘンリックと、50年に及び憎しみあっていた。ヘンリックは、最愛の妻を病で亡くしてから、娘のカーリンだけを生甲斐としているのだが、カーリンには異常な束縛が苦しくてたまらない・・・。 家族だからこそ、遠慮と配慮が足らず愛も憎しみも深まるのだろう。家族だからこそ、不仲であっても、おいそれと関係を絶つことはできない。そうやってヨハン親子は50年もいがみ合ってきた。 偏屈で独裁的なヨハンの冷酷さに嫌悪をいだき、並行して描かれるヘンリックとカーリンの、間にチェロを挟んだ危うい関係を、痛々しく見る。 4者4様の苦しみと憎しみと愛の形があって、それは粘っこく、人物をアップで捉えるカメラにはうんざりしてしまうのだけれど。 30年後の続編とはいっても、本編のマリアンはあくまでも狂言まわしの役割。 ヘンリックの行きすぎた愛情やら、息子への嫉妬を露わにするヨハンやら、カーリンの告白やら、、おそろしい場面のおおいこと。『叫びとささやき』を思い出す。 孤独と死への恐怖に震えるヨハン老人が、惨めであればあるほど、ベルイマンらしい冷酷な独壇場。おもしろいとはお世辞にもいえない、でも類稀な遺作。ラストにそっと希望が添えてられているのが救い。 監督・脚本 イングマール・ベルイマン 製作 ピア・エーンヴァル 出演 リヴ・ウルマン エルランド・ヨセフソン ボリエ・アールステット (112min) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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