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2006年12月27日
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もう5年以上でしょうか、
自閉症の男性が私のお弟子の中にいて、レッスンに通ってきています。
トランペットが専門です。

私は作曲なので音楽全般を見る事が多く、
さらに大学は二度勉強し、最初は声楽が専門だった事もあり
ピアノだけではなく、声楽もみますし、
クラリネットもトランペットも、マリンバの人もレッスンを見ます。
口コミで学生達に広まってるらしくて、
大学の学期末の試験に伴奏者を伴ってやってきて
音楽の作り方をレッスン希望する人が増えています。

もちろん大学受験生、大学院受験生、劇団受験生、なども
いろいろいらっしゃいます。
彼らの望む事をカウンセリングしてから、レッスン形態や回数を決めています。

++++++++++++++++++++++++++++

その自閉症の彼はお母様がいつも付いていらっしゃいます。
やはり興奮すると大変なのでお母様が常に一緒です。

最初は脳に障害のある子にうまく接する事が出来るだろうか、と
心配でしたがだんだんどうすればよいか、わかってきました。
普通にしていればいいのです。変にかばったりはいけません。
でも彼を良く理解する必要があるんです。

彼は軽症なので言語も普通、ぱっと見は普通の中年という感じ。
彼ももう35歳くらいになっているはずです。
自閉症の子は一つの事に異常に執着するので
トランペットは非常に上手です。さらってさらって
唇を切るまでさらってしまいます。

前は、高音を出す事だけに執着していましたが、
最近はゆったりスローバラードを歌いこむ、という
ランクの高いところに来るようになって来ました。
彼はたくさんの施設から演奏のオファーがあり、私なんかよりも
ずっと売れっ子で、演奏生活を楽しんでいる男性なのです。

ごく普通に見える彼ですが…やはり自閉症ですから…
時々、私がうっかりして彼の嫌いな事をすると彼は発作的に
大変になってレッスンが中断します。
自閉症の子は突然の事に弱いんです。
それとこだわりがあって、そのこだわりに触れると大変です。
頭が混乱して興奮しちゃう…

先日は彼の姉妹の話題が出た時にお母様に「お姉さんですか?」
と言ったことで彼のこだわりが始まりました。

彼は自分が大人に見られたい事、それから背が高く見える事にこだわります。
以前、イケメンで長身のギターの弟子(タレントの坂口に似てる)と
レッスンですれ違っただけで彼は興奮してしまって…
「僕は背が高いよね、高いよね、僕は180センチ以上ある?」と
始まってしまい、それを納得してもらうのに何十分もかかり、
以来、そのイケメンの弟子と自閉症のそのお弟子とはゼッタイに時間が
重ならないように前後には配置しないように気をつけているのですが…


先日はその「お姉さんですか?」という事でまた始まっちゃった…
「僕はお姉さんがいるように見えるのかな?僕の方が弟って事?」
「僕ってそんなに若く見えちゃうってこと、そうなの?そうなの?」と…
「だからね、僕はね、あの人がこの世からいなくなれば良いと思ってるの…」
「やっぱり僕が弟に見えちゃうんだね、そうなの?そうなの?」


またヤッチャッタ…ワタシ…こうなると彼が納得できるまでお話し合いが必要です。
こちらが謝ろうが何しようが、彼の中でのこだわりが消えない限り
どうにもならないで興奮が収まらないわけです。
1時間のレッスンのうち、半分くらいは話し合い。
お母様も間に入って彼が穏やかになるような論法にもって行って下さいます。

レッスン終了の頃にやっと落ち着きを取り戻してきました。
彼は翌日ある施設でコンサートをするんです。

「K君は、背も高いし、音楽の解釈もすっかり大人になったしね。
今日は私が勘違いしちゃったから良くなかったわね。
でも、こんなにステキな演奏だもん、明日はコンサートにいらっしゃる
お客さんが、み~んな喜んでくれるわね。良かったわねぇ」というと、
「ほんと?そうかな?ほんと?うまく行くかな?
僕にお姉さんがいるとは思わない?」とまた…

「思うわけないじゃないの?ものの順番でお姉さんって先に聞いただけよ!」
というと、しみじみ笑って嬉しそうに帰りました。

ぐったり疲れたりしますが、彼を知ってから私は世の中を
見る目が広がった気がしていて、彼に感謝しています。
いろいろな人がいて色々な感性や習慣があるんですよねぇ。
そして息子を最高の愛情で包んで育てていらっしゃるそのお母様を
尊敬します。

健常人の、それも優秀なプロ志向の人ばかりだけのレッスンでは
見えない事、がたくさんあるんですよね。

彼の純真さに学ぶ事、たくさんあります。
反省する事もたくさん…自分はまだまだだなぁ…って。

子供がいない私に、神様はこういう機会を与えてくださって、
彼と接する5年間を下さってるんだなぁと思うととても貴重です。


画像は子機がなくなって困った末、
新古品の電話をオークションでゲットしたもの。
やっと届き、昨日設置。(右の赤)
親機に子機がついている不思議なデザインで、とても便利です。
まだ何も設定してなくて、ただ鳴るだけですが。
現行で販売されているものですが、何と、半額以下でゲット。
ほとんど使用されておらず、美品でしたぁ。







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Last updated  2006年12月27日 09時47分37秒
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