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2007年06月17日
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lastlove01
昔、歌舞伎役者には声、舞、姿というのがあって
これが三拍子揃うと名役者になると言われました。

先代の勘三郎は悪声でしたが踊りがうまかった…
尾上松緑も声さえよければ…
市川猿之助は姿が冴えないのに踊りが美しくて容姿をカバーする…
中村吉右衛門の声の美しさは演技を超えている…等など、
いろいろと言われたものです。

さて、映画の世界でもそういう風潮はあったと思います。
一世を風靡したバンツマこと坂東妻三郎が残した男の子3人は
それぞれが俳優として立派に活躍しています。

先日亡くなった長男田村高廣が一番正統派の映画俳優で名優でしたし、
末っ子の田村亮はお茶の間でもお馴染みのテレビ俳優として
親しみやすさが人気です。

さて、ひねりのある二枚目俳優、田村正和が一番役柄に困ったのでしょうねぇ。
彼は容姿が飛びぬけて二枚目で表情が少ないうえに、声が通りにくい…
だから映画は相当大変だったのでは、と思います。
それはご本人が一番わかっているのでしょうねぇ。

だからセリフの少ないTV番組「眠狂四郎」は大当たりでした。
逆にその台詞回しの特徴をコメディにしてしまった「古畑任三郎」も
爆発的ヒットでした。


今回、田村正和のインタビューを聞くたびに
ご自分の無能さを嘆いていてその人生そのもののつらさに耐え抜いて
生きてるというのが見えて、
こんなメジャーな人なのに…と思ったので
「ラストラブ」はゼッタイに見る!と決めていました。
***************************

ラストラブ♪
妻を病気で失い、それが自分のせいだと自分を責めるサックス奏者
阿川明はNYでの活動をやめて、音楽もやめて娘とひっそりと暮らしている。
そこで県庁で働く結との出会い…結との出会いからもう一度再起しようと
決心したところに明に不治の病の宣告が…

原作か脚本に無理がありすぎて、話しについていけない…
というのが正直な感想でしたが、
それを払拭してあまりあるのが
田村正和の圧倒的な存在感でした。

他の俳優さんでは薄っぺらな作品になるであろうところを
彼のオーラで完成させたのではないかな…と感じました。

そして田村正和さんご本人の人生観とこの主人公、団塊の世代の
明とは重なっているのでしょう、

哀感が漂うのはもう、演技なのか本気なのか…と思わせました。
声が聞き取りにくい…のはいつもの事でした。
片岡鶴太郎が親友として登場しますが、
彼の台詞回しの方がずっと役者らしいんですよねぇ…

それにしてもスクリーンに映る田村正和はスタイリッシュでした。

インタビューで「もう一度俳優として生まれ変わって一から出直したい」
「父さえ生きていてくれたらもっとまともな俳優になれたんじゃあないか」など
とびっくりするような事を答えていたのは、こういう事ね、
と分かりました。
彼はご自分をどこかで「ホンモノじゃあない」と思い悩みながら
暮らしていらしたのでしょう。
普通だったらこんなに有名人です。テレビ俳優として
成功者として大満足でしょう。
でも彼の父はあの坂東妻三郎です。その存在には
自分に厳しくならざるを得ません。
それが田村正和の背負った宿命なのですね。

さらに役者にとっては容姿よりもセリフ廻しなのだ、というのを
田村正和氏は痛いほど知りながら悔しい思いで、俳優として生きている
それもバンツマの田村三兄弟という重いかせを背負いながら…
そう思うと泣けたんですよねぇ。
後半はずっと泣いてました…作品に感動したのではなくて
田村正和の苦悩が伝わってきて泣いたんですよ…

サックスを猛烈に練習したのは良く分かりました。
指使いなど、完璧だったそうです。
頬の筋肉を見ていると、吹き替えではなくても
聞けたのでは?と想像しました。
(名サックスプレイヤーの役だからそうは行かないでしょうが)

★ちょっとしたエピソードですが、以前に
田村正和が、ニヒルな二枚目に徹する為に
子供と過ごす時間をあまり持たないようにしている…
と言っていました。
家庭の匂いが出てはいけないからって。
やっぱり役者魂…なんだと思います。
皆人知れず苦労している…
そんなのも思い出しましたね。

田村正和そのままの生きざまをスクリーンの奥に
見た気がしました。

これはテレビドラマ的仕上がりですから
DVD鑑賞で充分楽しめると思います。


注)田村三兄弟といっていますが、実際にはご兄弟は4人。
芸能界に入らなかったご次男がいらっしゃいます。





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Last updated  2007年06月17日 08時05分24秒
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