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聖歌は生歌

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2006.04.19
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カテゴリ:答唱詩編
87 きょうこそ神が造られた日

【解説】
 詩編118は元来、神殿で行われた、何らかの祭儀で用いられたと考えられています。中間の21-27節の主語が「わたしたち」(一人称複数)なのに対して、これ以外の部分は「わたし」と単数になっていることから、もともとは、個人的な感謝の祈りだったものが、後に、共同体の祈りとして用いられるようになったとも考えられています。
 また、1節と29節が同じことば(恵み深い神に感謝せよ)であることや、2-4節には応答(そのあわれみは永遠)があることから、神殿祭儀のとき、祭司と会衆の間で対話的に用いられた可能性も考えられています。
 なお、この詩編118は、教会の祈りでも、第2・第4主日の朝の祈りの第一唱和で用いられており、主日が「キリストの復活当日までさかのぼる使徒伝承により、根源の祝日」(『典礼憲章』106)とされていたことを裏付けています。
 
 答唱句は、冒頭、和音が密集した位置から始まりますが、「こそかみ」で旋律が6度跳躍し、最高音のCis(ド♯)に高まり、この日=キリストの復活を自ら造られた神がたたえられます。後半では、「ともに」で同じ最高音のCis(ド♯)が用いられ、この、キリストの復活を記念するミサと、キリスト教信仰の確信である復活が、個人的なものではなく共同体的なものであることを強調しています。「喜び歌え」では、バスが順次進行の下降音階とオクターヴの跳躍で、喜びの大きさと深さを表しています。
 詩編唱は旋律の冒頭(全声部)と同じ、ドミナント(支配音)のE(ミ)から始まり、だんだんと上昇し、詩編の各節で、最も意味が込められ、強められている、3小節目~4小節目の前半で高い音が用いられ、再び、E(ミ)に戻って終わり、答唱句へと続きます。

【祈りの注意】
 答唱句も詩編唱も、深い、大きな喜びをもって歌いましょう。
 答唱句で、音階が上行し跳躍する部分、「きょうこそかみが」や「この日をともに」は、特にレガートで歌うように心がけてください。全体のテンポは、それほど早くはありませんが、間延びしたり、メトロノームで刻んだように歌うことは決してしないようにしてください。また、バスを歌う方は、「喜び歌え」の順次進行の下降音階とオクターヴの跳躍で、特に深い声を心がけてください。
 詩編は、復活の喜びにあふれながらも、その喜びをこころの底に深く刻み付けるように、深い声で歌い始めます。後半の3小節目と4小節目では、核心のことばが歌われ、旋律もそれによって高まっていますので、力強い声で歌いましょう。ただし、絶叫になったり、乱暴にならないように注意してください。
 今年、B年では、今日で、この詩編118が主日に黙想されるのは3回目です。この詩編が、何回も述べているように、復活詩編と言われ、キリストの復活の預言と言われるゆえんです。『聖書』の記述を見ると、復活後のキリストは、必ず、「この日」=週の初めの日である日曜日に、弟子たちに現れています。「この日」を「主日」と呼ぶのは、主が復活した日であるばかりではなく、この主日ごと(八日目ごと)に、主が弟子たちに現れたことにもよります。
 ホームページの「復活の主日 日中のミサ」の「答唱詩編」のところでも簡単に述べましたが、今日の第一朗読にもあるように、ペトロは、この詩編118:22を引用して、イエスが復活されたことを民全体の前であかししました。集会祈願にもありますが、わたくしたちのためにいのちをなげうってくださったキリストに従うわたくしたちも、キリストの声=『聖書』によく耳を傾け、聴き従い、ペトロと同じように、民の前で、キリストの復活をあかしできるように、この詩編118を深く味わい、こころに刻みつけたいものです。
 
《この答唱詩編のCD》
典礼聖歌アンサンブル」『復活節の聖歌』

【参考文献】
『詩編』(フランシスコ会聖書研究所訳注 サンパウロ 1968)
 





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Last updated  2006.04.21 14:36:36



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