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カテゴリ:答唱詩編
25 栄光は世界におよび
【前書き】 聖霊降臨の祭日後、季節は年間に戻り、キリストの聖体を過ぎると、主日も、年間主日になりますが、主の祝祭日と年間主日に優先する聖人の祭日には、主日でも、そちらを祝います。8月6日は主の変容の祝日に当たりますので、今年は、 【解説】 詩編96は、詩編93および97-99と同じく、イスラエルの神を、創造主・イスラエルの王としてだけではなく、世界の王、すべての民を治めるかたとしています。前半(1-6)では、自然の中に現存する神の力が歌われ、後半(7-12)では、神の支配の回復と救いの到来が告げられています。この詩編の一部には《第二イザヤ》の表現に似たものがあります。なお、これとほとんど同じ詩が、歴代誌16:23-33にあります。ここでは、ダビデの張った天幕に人々が神の箱を運びいれ、焼き尽くす献げものと和解の献げものを捧げたあと、アサフをはじめ、数名のレビ人が神を賛美した歌とされています。そこからでしょうか、詩編96でも《七十人訳》と《ヴルガタ訳》では、「ダビデの歌。捕囚後に、家が建てられるとき」と表題が付けられています。 答唱句は冒頭、音階の第三音から、上行音階の、しかもユニゾン(すべての声部が同じ音)で始まり、四声に分かれる「世界」で、旋律は前半の最高音Cis(ド♯)に達しています。この間、バスは「栄光は」から「世界」で、6度下降跳躍しています。これは、作曲者が「時間と空間を超越した表現」として用いる、旋律の6度の跳躍の反行にあたります。これによって、また和音の広がりによっても、神の栄光の世界への広がりが現されています。その後の「世界におよび」で、旋律は音階で属音E(ミ)に下降しますが、天におられる神の栄光が、世界(全地)に行き渡る様子が示されます。 後半、旋律は和音構成音で上行し、「かみ」で、答唱句全体の最高音D(レ)に達し、バスとの広がりも、2オクターヴ+3度という、原則として、もっとも広いものになり、神の栄光、神の偉大さが現されます。最後の「神は偉大」には「-」(テヌート記号)が付けられており、これによって、このことばが一音節づつ力強く歌われるようになっている。 詩編唱は、高音部のCis(ド♯)から力強く始まり、落ち着きと壮大さをもって、音階で下降します。 【祈りの注意】 解説にも書いたように、答唱句は全体、力強く歌います。しかし、冒頭のユニゾンの上行音階は、cresc. したいので、最初からf では、後が続きません。最初は、やや、弱め(ただし精神は冒頭から力強く)で歌い始めましょう。「世界に」で、前半の最高音になりますから、のどと胸を開いて歌いましょう。バスは、特に力強く、また、深い声で歌ってください。その後、旋律は、いったん下降しますから、少し、dim. するとよいでしょうか。「すべてを」からは、また、上行しますので「かみ」に向かって cresc. しましょう。最後の「神は偉大」は「-」(テヌート記号)が着いていますから、答唱句の中では、もっとも力強く、地面を踏みしめるように歌いますが、一つ一つが飛び出したようになってはいけません。あくまでも、祈りとしてふさわしい、レガートの中でのテヌートであることを忘れないようにしましょう。 テンポは四分音符=66ですが、あまり、早くなると、せっかちに聞こえます。力強さを現すためにも、雄大さが感じられるテンポを考えましょう。だからといって、冒頭のユニゾンがだらだら歌われると、全体のしまりがなくなります。ここは、階段を一気に駆け上がる気持ちで歌うとよいのではないでしょうか。 詩編は、第一朗読のダニエルの預言を受け、ダニエルが預言していることと、詩編本来の持つ、神が王として支配されることを黙想し、主キリストが神の右の座につかれて、すべてを治めることを歌います。冒頭のcis(ド♯)は、音が下がらないようにしっかりと、また、力強く始めましょう。下から音を上げるようにすると、どうしても、この最初の音が下がります。あまり、よい、たとえではないかもしれませんが、ジャンプして高いところに物を置くような感じで音を出すとよいかもしれません。 詩編唱の1節の1小節目「神は王」の後には、息継ぎ記号「,」があります。ここは、詩編(典礼訳)の本文で、「。」になっている部分ですから、 《この答唱詩編のCD》 「典礼聖歌アンサンブル」『聖週間の聖歌』〔在庫なし〕(詩編は異なります) 【参考文献】 《第二イザヤ》《七十人訳》《ヴルガタ訳》の各用語は、ホームページ『典礼聖歌研究工房アトリエおおましこ』の「用語解説」のページを参考にしてください。トップページの下段「典礼聖歌サイトマップ」⇒「用語解説」の順に進んでください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.17 13:17:34
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