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聖歌は生歌

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2006.08.22
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カテゴリ:答唱詩編
19 いのちあるすべてのものは

【解説】
 詩編146は、ここから始まる5つのハレルヤ詩編(146-150)の最初です。この5つの詩編は、冒頭とおしまいに「ハレルヤ」があることから「ハレルヤ詩編」と呼ばれています。現在も、ユダヤ教の朝の祈りで用いられていますし、教会の祈りでは、読書課に含まれています。この、詩編146は元来、神殿で唱えられた神への賛美です。「神」が主語となっている部分の動詞は、すべて分詞「~~するもの」という意味ですが、これは、その動作が現在も継続して行われていることを表しています。つまり、ここで言われている神のわざは、現在も行われていることを表しているのです。また《同義的並行法》を用いることで、それらの内容が、さらに強調されています。
 答唱句は、冒頭、オルガンが主音Es(ミ♭)だけ、八分音符一拍早く始まります。二小節目の「すべてのもの」では「地にあるすべてのもの」を象徴するように、旋律の「すべて」でC(ド)、バスの「すべての」でG(ソ)と、それぞれ、最低音が用いられています。また、アルトの「すべの」では、ナチュラルでH(シ)が歌われ、それが強調されています。なお、二小節目の冒頭は、他の声部では八分休符になっていますが、バスだけは、一拍早く始まり、文章の継続を表しています。後半では、旋律もバスも、ほぼ、1オクターヴ上昇し、特に、Last では、旋律が最高音Es(ミ♭)まで上がり、力強く「神をたたえよ」(原文では「主を賛美せよ」)と呼びかけます。
 詩編唱は、前半、G(ソ)-As(ラ♭)-F(ファ)-G(ソ)と動きが少なくなっていますが、後半の三小節目では、最後に八分音符で旋律が上昇し、さらに、四小節目で最高音C(ド)にまで、高まり、バスのB(シ♭)との開きも2オクターヴ+3度に広がり、「神をたたえよ」という呼びかけが力強く歌われます。

【祈りの注意】
 答唱句の前半、一小節目と二小節目、旋律では、八分休符が冒頭にあり、下降→上昇の動きが繰り返されます。八分休符は、ことばのアルシスを生かすだけではなく、旋律の動きも生かすものです。二回目の八分休符があるところも、バスだけ、早く、一拍早く出て文章を継続させています。混声四部でない場合でも、オルガンの伴奏が、それを表していますから、二小節目の八分休符で文章の継続も、祈りの精神も切れることのないようにしましょう。
 前半の終わり「すべてのもの」の後では、一瞬で息を吸いますが、そのためには、「のー」でわずかに rit. しますが、できるだけ分からない程度にしましょう。これは、非常に難しいかもしれませんが、何回も練習することで、だんだんとできるようになってきます。
 後半の、上行音階では、「すべてのもの」に呼びかけますから、力強く cresc. しますが、ここで、気をつけなければならないのが、間延びすることと、rit. の違いです。rit. の場合は、「神を」で元のテンポに戻りますが、間延びした場合は、前のテンポのままか、さらに遅いテンポになっています。この違いがはっきり分かり、元のテンポで始められるかどうかが、ことばにふさわしい、祈りの歌にできるかどうかの分かれ目になります。
 詩編唱は、このところ続いている、第一朗読と福音朗読の橋渡しであることが、はっきりと現れています。解説にも書きましたが、分詞で表されている「まことを示し」「裁きを行い」「かてを恵み」「解放される」「目を開き」「愛される」は、現在も神が継続して行われている、神のわざです。詩編を先唱されるかたは、この、現在も神が継続している神のわざが、聞いている人々のこころにも伝わるように祈ることができれば、これも大きな恵みではないでしょうか。

《この答唱詩編のCD》
典礼聖歌アンサンブル」『復活節の聖歌』(詩編は異なります

【参考文献】
『詩編』(フランシスコ会聖書研究所訳注 サンパウロ 1968)
 







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Last updated  2006.08.22 19:16:32



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