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聖歌は生歌

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2007.04.13
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カテゴリ:答唱詩編
172 わたしたちは神の民

【解説】
 この、詩編100は、この答唱句が取られた詩編です。最初の7節は、詩編95と似ていて、この、詩編95から始まる、一連の神を王としてたたえる詩編の結びの詩編です。4節(詩編唱の3節)からも推測されるように、神殿祭儀の時に歌われた詩編です。また、表題となる1節は、神殿祭儀でのいけにえを携えて行なわれる行列をさしています。
 答唱句は、全体に低音部を中心にして歌われますが、それが、かえって、答唱句で歌われる信仰告白のことばを、謙虚に、しかし、雄大に力強く歌わせる効果があります。旋律が付点四分音符でことばを延ばしているところでは、必ず、どこかの声部が、次に来ることばを、四分音符によって、八分音符一拍分早く歌い始め、ことばへの集中力を高めるとともに、祈りの流れが継続するように、工夫されています。最後は、旋律が最高音のB(シ♭)に高まり、信仰告白のことばを力強く結びます。
 詩編小の基本的な旋律構造は、四小節目を除くと答唱句と同じで、答唱句と類似構造と言う点でバランスをとっています。四小節目だけは、終止の和音が五の和音(=F-A-C)で、答唱句の冒頭に戻る(続く)ようになっています。ちなみに、この答唱句で歌われる詩編は3つあり(他に、詩編50、詩編122)ますが、いずれも、神殿の祭儀に関連しています。それででしょうか、詩編唱の部分は、やはり、神殿祭儀(おそらく「仮庵の祭り」)で用いられた詩編81が歌われる、162 喜び歌え神に叫びをあげよと同じ旋律が用いられています。

【祈りの注意】
 この答唱句で一番気になることは、早く歌いずぎることです。速さは四分音符=60くらいと指定されていますが、一番早い速さ、と考えて歌ってもよいでしょう。冒頭「わたしたちは」は、確固とした信仰を持った、力強い ではじめましょう。「わたしたち」から「み」へは、音域が広がりますので、少し cresc. すると、祈りが深まります。解説でも書いたように、旋律が付点四分音符で延ばす間、すなわち、「わたしたち」の「」、「かみのた」の「」、「まきば」の「」では、他のいずれかの声部が、八分音符一拍分早く、すなわち、四分音符でもって、次のことばを歌い始め祈りを継続させていますから、旋律をうたうかたがたは、この、祈りの継続が十分になされるように、付点四分音符をできるだけしっかりと延ばすようにしましょう。これは、混声四部で歌われない場合でも、オルガンの伴奏がその役割を果たしていますので、忘れないようにしてください。この、付点四分音符の後は、なるべく、一瞬で息を吸うようにしますが、しゃっくりをしたようにならないでください。特に、最後の「むれ」は、最高音で歌うので、どうしても、「」をぶつけるように歌いがちですが祈りの終止としては一番よくない歌い方です。乱暴にならにように、やさしく、しかし、芯がしっかりした声で、祈りが神に昇ってゆくようにしたいものです。
 第一朗読に見られるように、神のことばは「異邦人」とされていた人々に向かって、語られるようになり、全世界で、神=唯一まことの神を信じる人々が増えました。詩編唱では、これを受けて、全世界の神を信じる民、キリストの復活をあかしする民に、礼拝と信仰を促すことばが歌われます。詩編を歌うときあるいは聞くとき、全世界のすべてのキリスト者に、この、神のことばが、深くこころに響くことを願いたいものです。
 なお、詩編の1節では、三小節の最後の四分音符=G(ソ)を省略して、四小節目の全音符=F(ファ)に続けますが、このとき、「進」と「に」の間で、間をおいたり息継ぎをしたりせずに続けて歌います。
 また、詩編の2節と4節では、三小節目の最後の四分音符=G(ソ)と、四小節目の冒頭の全音符=F(ファ)は省略して、三小節目の全音符=G(ソ)から四小節目の最後の四分音符=F(ファ)を同じ小節の音として扱って歌います。この場合も、「造られた」(詩編唱の2節)「及ぶ」(詩編唱の4節)は一つのことばですから、間をおいたりせずにスムースに続けて歌うようにします。

《この答唱詩編のCD》
典礼聖歌アンサンブル」『四旬節の聖歌』

【参考文献】
『詩編』(フランシスコ会聖書研究所訳注 サンパウロ 1968)
 








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Last updated  2007.04.13 11:48:01



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