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カテゴリ:答唱詩編
172 わたしたちは神の民
【解説】 この、詩編100は、この答唱句が取られた詩編です。最初の7節は、詩編95と似ていて、この、詩編95から始まる、一連の神を王としてたたえる詩編の結びの詩編です。4節(詩編唱の3節)からも推測されるように、神殿祭儀の時に歌われた詩編です。また、表題となる1節は、神殿祭儀でのいけにえを携えて行なわれる行列をさしています。 答唱句は、全体に低音部を中心にして歌われますが、それが、かえって、答唱句で歌われる信仰告白のことばを、謙虚に、しかし、雄大に力強く歌わせる効果があります。旋律が付点四分音符でことばを延ばしているところでは、必ず、どこかの声部が、次に来ることばを、四分音符によって、八分音符一拍分早く歌い始め、ことばへの集中力を高めるとともに、祈りの流れが継続するように、工夫されています。最後は、旋律が最高音のB(シ♭)に高まり、信仰告白のことばを力強く結びます。 詩編小の基本的な旋律構造は、四小節目を除くと答唱句と同じで、答唱句と類似構造と言う点でバランスをとっています。四小節目だけは、終止の和音が五の和音(=F-A-C)で、答唱句の冒頭に戻る(続く)ようになっています。ちなみに、この答唱句で歌われる詩編は3つあり(他に、詩編50、詩編122)ますが、いずれも、神殿の祭儀に関連しています。それででしょうか、詩編唱の部分は、やはり、神殿祭儀(おそらく「仮庵の祭り」)で用いられた詩編81が歌われる、162 喜び歌え神に叫びをあげよと同じ旋律が用いられています。 【祈りの注意】 この答唱句で一番気になることは、早く歌いずぎることです。速さは四分音符=60くらいと指定されていますが、一番早い速さ、と考えて歌ってもよいでしょう。冒頭「わたしたちは」は、確固とした信仰を持った、力強い p ではじめましょう。「わたしたちは」から「かみ」へは、音域が広がりますので、少し cresc. すると、祈りが深まります。解説でも書いたように、旋律が付点四分音符で延ばす間、すなわち、「わたしたちは」の「は」、「かみのたみ」の「み」、「まきばの」の「の」では、他のいずれかの声部が、八分音符一拍分早く、すなわち、四分音符でもって、次のことばを歌い始め、祈りを継続させていますから、旋律をうたうかたがたは、この、祈りの継続が十分になされるように、付点四分音符をできるだけしっかりと延ばすようにしましょう。これは、混声四部で歌われない場合でも、オルガンの伴奏がその役割を果たしていますので、忘れないようにしてください。この、付点四分音符の後は、なるべく、一瞬で息を吸うようにしますが、しゃっくりをしたようにならないでください。特に、最後の「むれ」は、最高音で歌うので、どうしても、「れ」をぶつけるように歌いがちですが、 第一朗読に見られるように、神のことばは「異邦人」とされていた人々に向かって、語られるようになり、全世界で、神=唯一まことの神を信じる人々が増えました。詩編唱では、これを受けて、全世界の神を信じる民、キリストの復活をあかしする民に、礼拝と信仰を促すことばが歌われます。詩編を歌うときあるいは聞くとき、全世界のすべてのキリスト者に、この、神のことばが、深くこころに響くことを願いたいものです。 なお、詩編の1節では、三小節の最後の四分音符=G(ソ)を省略して、四小節目の全音符=F(ファ)に続けますが、このとき、「進み」と「神に」の間で、 また、詩編の2節と4節では、三小節目の最後の四分音符=G(ソ)と、四小節目の冒頭の全音符=F(ファ)は省略して、三小節目の全音符=G(ソ)から四小節目の最後の四分音符=F(ファ)を同じ小節の音として扱って歌います。この場合も、「造られた」(詩編唱の2節)「及ぶ」(詩編唱の4節)は一つのことばですから、 《この答唱詩編のCD》 「典礼聖歌アンサンブル」『四旬節の聖歌』 【参考文献】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.13 11:48:01
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