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カテゴリ:答唱詩編
134 主をたたえよう
【解説】 詩編117は、全四編中最も短い詩編で、ヘブライ語でもわずか15語しかありません。1節では、全世界の民に、神(主)をたたえるよう呼びかけ、2節は、その根拠となる、イスラエルに対する、神(主)のはからいを述べています。すなわち、神に選ばれた民イスラエルに対する、神のいつくしみを知ることで、すべての民が、まことの神を知るようになることがイスラエルの選びの根拠なのです。これは、『教会憲章』第1項でも言われていることです。教会も、教会自身が存在目的ではなく、神と人類との交わりの道具であり、神の国を証してゆくことが大切なことなのです。 この詩編は、先にもあげたように最も短い詩編で、中世初期のナポリの教会では、この詩編を覚えていることが、洗礼の条件だったと伝えられています。 また、この詩編唱では、栄唱が加えられていますが、栄唱は、旧約の詩編を新約のキリスト者の祈りとするものです。 さて、この「主をたたえよう」はすべての答唱句の中で、最も多くの詩編唱が歌われます。答唱句は、詩編136:1〔131〕から取られています。この詩編は、グレゴリオ聖歌では復活徹夜祭に歌われます。八分の十二拍子の答唱句の冒頭は、トランペットの響きで始まります。なお、『典礼聖歌』合本では、最初、テノールとバスは、H(シ)ですが、『混声合唱のための 典礼聖歌』(カワイ出版 2000)では、四声すべてFis(ファ♯)-Dis(レ♯)-Fis(ファ♯)-H(シ)-Dis(レ♯)となっています。この、ユニゾンのほうが、力強い響きに聞こえると思います。 「主をたたえよう」では、バスがGis(ソ♯)からFis(ファ♯)へ下降することで、ことばを延ばす間に、和音も二の和音から四の和音へと移り、さらに「主はいつくしみ」までE(ミ)からDis(レ♯)へと深まります。その後は、旋律も和音も落ち着いており、神のいつくしみの深さと限りないあわれみを穏やかなこころでたたえながら、答唱句は終わります。 詩編唱は、冒頭、最高音のH(シ)から、力強く始まります。主に、詩編唱の1節全体で、一番重要なことばが多い第三小節は、最も低いDis(レ♯)を用いることで、重厚さと、低い音への聴覚の集中を促しています。詩編唱の最後は、主音Fis(ファ♯)で終わり、そのまま、答唱句へとつながります。 【祈りの注意】 答唱句の旋律は、主音:Fis(ファ♯)⇒旋律の最低音:Dis(レ♯)⇒主音:Fis(ファ♯)⇒旋律の最高音:H(シ)と動きますから、この旋律の上昇の力強さを、全世界への呼びかけの強さへと結びつけましょう。八分の十二拍子のこの曲は、八分の六拍子の曲と同様に、 「たたえようー」と延ばす間、さらに cresc. を強めることで、呼びかけが、すべての国に広がるでしょう。このとき、バスがGis(ソ♯)からFis(ファ♯)へ下降することで、和音が変わりますから、他の声部はしっかり呼びかけを続け、バスは地球の裏側にまで、この呼びかけを深めるようにしましょう。その後、八分休符がありますが、この休符は、次の「主」のアルシスを生かすためのものですから、きちんと、入れてください。 この、「主」がアルシスで、よく歌われると、このことばがよく生かされるばかりではなく、続く、滑らかな旋律の信仰告白が、ふさわしい表現となります。最後の「深く」の四分音符が、必要以上に延ばされるのをよく耳にしますが、それでは、答唱句の重要な信仰告白のことばが、 最後は「そのあわれみは」くらいから徐々に rit. して、答唱句を締めくくります。「えいえん」で、八分音符を五拍延ばす間、まず、dim. (だんだん弱く=いわゆるフェイドアウト)しますが、きちんと五拍分延ばしてください。その間、作曲者も書いていますが「神様のことを」、神のいつくしみの深さもあわれみも永遠であることを、こころに刻み付けましょう。最後の「ん」は、「さーぃ」と同じように、「え」の終わりにそっと添えるように歌います。 今日の「集会祈願」(試用版)にもあるように、神は「国籍や民族の異なるわたしたちを神の国のうたげに招いてくださいます。」イスラエルの指導者たちは、自分たちがアブラハムの子孫であることで、神の国が保障されていると安心していましたが、それによって、 《この答唱詩編のCD》 「典礼聖歌アンサンブル」『復活節の聖歌』(詩編は異なります) 【参考文献】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.08 15:12:42
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