年をとっても
お能を観に行って来ました。番組はお仕舞いが「通小町」と「花筐」「熊坂」狂言が「文蔵」で肝心のお能は「楊貴妃」でした。この楊貴妃を、なんと御歳88歳というお爺ちゃまが扮するのです。いくら面を付けていても・・・と思いましたが、88歳になったお爺ちゃまでも舞う事が出来るのは素晴らしいですね。ただ、普段もそうらしいのですが、立ったりするのが容易ではない。それは見ていても伝わりました。それが伝わってしまったのと私の楊貴妃に対するイメージとのズレもあってか、楊貴妃というよりお爺ちゃんが居るのがどうしても解ってしまう。お婆ちゃんではなくて、お爺ちゃん・・・失礼ながら「能 リア王」でシテ方のオフィーリアをやった確か83歳のお婆ちゃんの方がずっと若々しくオフィーリアの愛らしさが出ていたように感じました。それらが流派によるものなのか、また演目そのものの違いなのかまだまだその辺りが私には解らないところですが、シテ方の声が小さいせいで楊貴妃が何を言っているのか全く聞こえないのです。そこにお囃子が入ってしまうと、もう本当に「今、何か言ってた?」と聞き返したくなる程。もともと何を言っているのか意味が分かりにくいのに、声が小さいと話の筋が解っていてもさっぱり理解が出来ず本当に残念でした。う~ん・・・そんな訳で何度となく夢の淵に立つ羽目になりました。でも年をとっても、舞っていると元気なんですね。このシテの方、地方に出張して教えたりもされているそうなので、見たよりはお元気なのでしょうね。それにとっても厳しい方なのだそうです。また違うものを観に行こうっと♪