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January 12, 2007
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カテゴリ:教育

主観も混じるのであるが、「習熟度別クラス」のデメリットは何といっても、「順位の固定化」が生まれやすいことだと思う。

同じような成績の子を固めてクラスを作ると、どうしても順位の変動が少なくなりがちだ。時折、成績をぐんと伸ばす子はいるにはいるが、全体的には順位の変動がなく、ダイナミックさに欠けるのである。

もちろん、全体の成績は伸ばしていた。しかし、母集団として(平均点が上がっていくなどの)成績が上がっていくということがあったのだが、一人ひとりの集団の位置、つまり「順位」が固定化されがちになる。

こういうことが起こる原因は、「心理的な問題」ではないかと私は推測している。

「習熟度別クラス」は、本人の成績や、母集団の中での位置を嫌でもくっきりとさせる。「成績表」は常に目にするわけではないが、習熟度別クラスでは、塾へ来るたびに成績が〇番目のクラスへ入っていかなければならないのである。

そうすると、「俺の成績はこんなもの」「俺の頭の程度はこんなもの」「私の力はせいぜいこれくらい」という「認識」を潜在意識の奥へ奥へと日々インプットしていくのではないかと思うのである。

「潜在意識」を動かすには日々くりかえしインプットすることが一番効果的である。

鎖の繋がれた子象は大きくなってもおとなしく繋がれている。大人の象が本気になれば鎖を引きちぎることなどたやすいはずなのであるが、象はそんなことはできないと思っている。

本人ができないと思っていれば何をどうやってもできないものである。「習熟度別クラス」というのはそれと似たものが生まれないかと私は危惧するのである。

もちろん、この意見は私の経験則に基づくものであり、何の検証もしたわけではない。でもそう見当はずれな意見でもないと思う。

私は「習熟度別クラス」が悪いというつもりはない。しかし指導者が「よい点」「悪い点」を知った上で活用するべきだと思う。指導者が「教えやすい」という理由だけで採用してはならない。

「習熟度別クラス」をコントロールするのはとても難しいのである。

(つづく)

 

 






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Last updated  January 12, 2007 07:53:27 PM
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