現在、混声合唱団の指導をさせていただいております。

2003年の5月に20名程で結成され、当初から指導を任されていました。

平均年齢6？歳！団員の7割が合唱未経験者。

最初の2年間は前に声を出すことと歌（合唱）うことの楽しさを感じてもらう

この2点のみに重点を置いて指導してきました。

上手く聴こえるようなテクニックなどはまったく触れませんでした。

上手いと思われなくてもいい大きな声で楽しく歌うことで聴いていただいたお客様に

「この合唱団は楽しそうに歌っているね。本当に歌がすきなんだね」

と思われるようにしようよ！と…

まずは簡単な2部合唱のポピュラーな曲から始めました。

年に2回の地域の合唱祭にも出てお客様の前で歌う喜びも、感動も味わってもらいました。

2年目は年に2回の地域の合唱祭に加え、県の大規模な合唱祭に出ることを目標にしました。

この時に歌ったのは「大地賛讃」と団伊玖磨の組曲「筑後川」の中の「河口」でした。

県の合唱祭はゲストの先生方からの講評が各団ごとにいただけます。

初出演の私たちにとって「褒めすぎなんじゃないの？」という講評がいただけました。

これが団員に自信を持たせてくれました。実際、上手くなってたんですよね。

「合唱が楽しい！土曜日の練習が待ち遠しい！」と皆さんに言っていただける様になっていたし。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉の通りです。

そして3年目は家内が指導している合唱団との「ジョイント・コンサート」を企画しました。

600名程のお客様に来場して頂き、自分たちの手で作り上げたコンサート。

これもよい刺激になりました。

この頃から小林秀雄の「落葉松」そして団伊玖磨の組曲「筑後川」の中の「みなかみ」

に取り組みはじまました。

団員の意識も「楽しく歌う」から「上手くなりたい」という思いが高まってきたので

徐々にハーモニーの作り方、表現方法などのテクニック面での指導も始めました。

そして私の指導法として

「お客様は楽譜を見ながら聴いているわけではないのだから、

どんな内容の歌詞をうたっているのかきちんと伝わるように言葉を立てて歌う、

そして作詞者はどんな思いで詩を書いたのか、

作曲者はその詩をどのように表現したくて音楽を作ったのかを

自分なりに答えを出して歌う」

これを今でも言い続けています。

組曲「筑後川」を歌う為に「筑後川」は何処を流れているどのような川なのか？

源流から河口までの写真を見せながらイメージを膨らませたり、

「落葉松」を歌う時は、なぜ落葉松林にいるのか？何があったのか…

等を考えさせています。

団員の中には実際に北軽井沢の落葉松林まで行ってきた方もいます。

今年は4年目に入りますがお客様を「歌で感動させよう！」をモットーに頑張っています。

秋の県の合唱祭には「落葉松」と組曲「筑後川」の中の「みなかみ」を歌う予定です。

「落葉松」のオブリガードをヴァイオリン演奏で入れてみようかな。

　筑後川 〔カワイ出版社〕

　混声合唱曲集「落葉松」改訂版