テーマ:コーラス(2704)
カテゴリ:合唱
私の好きな合唱曲(オケ付き)2曲目は
ヴェルディの「レクイエム Requiem」です。 前回紹介した「モツ・レク」とは音楽性が打って変わってオペラチックな宗教音楽です。 1868年、ヴェルディの敬愛するオペラ作曲家ロッシーニが亡くなり、 その追悼企画として多くの作曲家が曲を持ち寄り、合作の「レクイエム」が計画されました。 ヴェルディはその中で「Libera me(われを赦したまえ)」を作曲しましたが、 この計画は途中で頓挫してしまいました。 5年後の1873年。やはり彼が敬愛するマンゾーニ(詩人)が亡くなり。 ヴェルディは「Libera me(われを赦したまえ)」に加えて、 「レクイエム」全曲をヴェルディ自らが作曲しようと決意。 そして全曲で約1時間30分を要する大作「レクイエム Requiem」が出来ました。 初演は1874年5月。マンゾーニの一周忌にミラノの由緒あるサン・マルコ大聖堂で ヴェルディ自らの指揮によりスカラ座の管弦楽と合唱団の選抜メンバーによって行われました。 ハンス・フォン・ビューローが 「これは宗教音楽の衣装をまとったヴェルディの最新のオペラにすぎない」 と非難したそうです。 確かにオペラのようにスペクタクルでドラマチックな曲ですが 宗教音楽には違いないと思います。 私は評論家ではないので「良し悪し」は判りませんが 一声楽家としてこの曲が大好きです! 曲は「REQUIEM」で始まり「DIES IRAE」に続きます。 この中の「Dies irae(怒りの日)」~「Tuba mirum(たえなるラッパ)」の部分の音楽は まさに一大スペクタクルです。 「Dies irae(怒りの日)」は映画『バトル・ロワイヤル』でも使用されたのがきっかけとなり 今では「戦い」や「怒り」の場面でのBGMとしての代表曲になりました。 冒頭から大音響で特徴的な和音が響きわたり、合唱が叫ぶように力強く歌い始め 天から大きな斧が振り下ろされるような情景が目に浮かぶバスドラムの強打の連打! 何とも言えぬ迫力で劇的な音楽です。 続く「Tuba mirum(たえなるラッパ)」の冒頭部分では 左右の舞台裏に配置されたトランペットの立体的な掛け合いが、 感情的盛り上がりに素晴しい効果を生んでいます。 そして「DIES IRAE」を締めくくる「Lacrimosa(涙の日)」は全曲中もっとも美しく感動的な曲です。 「モツ・レク」の「Lacrimosa(涙の日)」も感動的ですが、こちらも泣かせてくれます。 元々はオペラ「ドン・カルロ」のアリアから流用され、 ヴェルディが涙しながら書いたと言われる大変情感豊かな曲です。 まさ前半のクライマックスを締めくくるにふさわしい曲になっています。 そして曲は「OFFERTORIUM」「SANCTUS」「AGNUS DEI」「LUX AETERNA」と続き 前述の「LIBERA ME」で全曲が締めくくられます。 静かに死者の魂を慰める曲ではなく、 慰められるべき魂が激動の人生を振り返っているかのような曲です。 今までで一番の名演奏はというと… 大学3年の時の「芸大定期」の演奏です。 いやぁ~気持ちよかった! ※あくまで歌っててです。聴いていないので客観的な感想はなし 最後にまた勝手に名盤だと思っているCDをご紹介します。 トスカニーニ指揮の演奏です。
そしてこのDVDはデビューして間もない初々しいパバロッティーが歌っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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