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テーマ:剣道やろう!(849)
カテゴリ:剣道時代
その①の続き
剣道形六本目の話 「剣道形六本目には鎬の要点が詰まっている。高野先生の六本目は、実に軽やかで味があった」 大野先生が私にこんな話をしてくれたこともありました。 その昔、日本剣道形(大日本帝国剣道形)は大日本武徳会と東京高等師範学校の高野先生らによって制定されました。 そこには今われわれが学んでいる剣道形とは少し違う口伝のようなものが存在したそうです。 大野先生が高野先生から受けた指導はこのようなものでした。 「打太刀が右小手めがけて刀を振り下ろしてくる。仕太刀は裏鎬を使ってこの刀をすり上げるが、このとき、すり上げると同時に刃を打太刀の小手に向け、そのまま相手の刀の上を滑らせるようにして落としなさい。それが理にかなっています」 この話を聞き、目の前で大野先生が実演されるのを見て、私はまさにその通りだと思いました。仕太刀の刀が吸い込まれるように打太刀の右小手に収まっていく。 この無駄のない流れるような技に、鎬を使う意味と、剣道形の本質を見た気がしました。 ここからは余談になりますが、高野先生はもうひとつ、この剣道形六本目において気にされていた部分があったそうで、それはこういったことでした。 「仕太刀が下段から徐々に中段に構えを上げてくる。 打太刀は仕太刀の剣を押さえきれなくなってパッと上段を執るが、このとき、どこを攻めるか。 仕太刀が上段を執ったからといって、相手の左こぶしを攻めるのは本当ではない。 相手の中心を攻めるからこそ、相手は耐えきれなくなって刀を下ろすのだ」 枝葉にとらわれては、本質を見失ってしまいます。 よく大野先生は「剣道において一たす一は二ではない。 修練によって三にも四にもなる」ということを言われましたが私も同感でした。 このエピソードも鎬の使い方を憶えることによって剣道の幅が広がるというひとつの照明になると言えるのではないでしょうか。 真剣勝負の話 さて、それでは実際に私が指導、実践している鎬の使い方についてお話したいと思いますが、その前に一つ、とても大事な話をしておこうと思います。 それは、「刀の観念」についてです。 剣道指導者はよく「竹刀は刀のように扱いなさい」と言います。 私もそのうちのひとりですが、実際のところ、竹刀は竹刀であり、木刀は木刀、真剣は真剣です。 私はそう理解しています。 構造からすべて違うものですから、同じように扱えというのは土台、無理があるのかもしれません。 しかし、やはり竹刀は刀のように扱うことができるのです。 どういうことか。 そこで必要になるのが「刀の観念」です。 使い方は別であっても、その心のとらえ方は真剣をもったときと同じような気持ちを持つ。 「真剣勝負」と言う言葉がありますが、この一本が外れれば自分の命はない、竹刀剣道であってもその根本が崩れてしまっては、こんにちの剣道は良くなっていかないと思っています。 そういった心がけをしていれば、自分の打ち間でないところから打っていくこともなくなるでしょうし、どうしても打ちたい時は相手をしっかりと崩してから打つことを実践するはずです。 私はそうやって、自分の剣道観を高めてきました。 「刀の観念」を得るための一番簡単な方法は、一度真剣を手にしてみることです。 刃筋や鎬と口やかましくいっても、真剣を見た事なければその理解も充分なものにはなりません。 しかし、真剣を手にする機会というのはなかなかないものです。 そこで重要になるのが木刀です。 近年、少年指導の現場で「木刀による剣道基本稽古法」が盛んに行われていますが、これは、大変良いことです。 たとえば、日常の素振りを木刀で振らせるだけでも、刃筋を意識させる効果はあるはずです。 剣道は刃筋が立たなければ成り立ちません。 なぜなら、現代剣道は有効打突を争う競技であり、刃筋は有効打突の条件としてしっかりと明記されているからです。 いかにして刃筋の立った打突を繰り出すか、これが一番の問題なのです。 刃筋というのは、ただ刃が下を向いていればいいというものではありません。 姿勢、構え、手の内などすべてが合わさって、はじめて刃筋が立つのです。 これは、竹刀だけを持っていては、なかなか気づくことのできない感覚であると思います。 私はいち早く、剣道を修練みなさんに「刀の観念」を持ち合わせていただきたいと思っています。 「刀の観念」は決してみなさんの剣道を縛るものではありません。 むしろ、剣道を広く、そして深いものにしてくれます。 ぜひ、「真剣勝負」の気概を持って、稽古に臨んでみてください。 いつの日か、新たな剣の世界が広がることと思います。 ふーっ 剣道時代丸写し 疲れたよ~~~ まだまだ これからなので、タイム 続きはその③で お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.12.24 10:42:55
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