人を愛したい、人を憎みたい。-1-
俺はきっと愛されてる。でもきっとそのどれにも俺は安らぎを見出していない。きっと贅沢な事なんだと思う。人に愛されたいと泣き叫んぶ人を何人も何人も見てきた。人は無いもの強請りだ。俺が欲しいのはもう失ってしまったあの日々。香奈がいて、悠が居て。とても暖かな日々。だけど辛い事なんて切って捨てるほどあった。毎晩殴られ蹴られて。家にほとんど居れなかった。生活の場は脱衣場。体を曲げて小さく小さく眠った。ストレスか味覚が無くなった。そんな頃・・・毎晩、思い出したくも無い事があった。塵の様に生きてた。戻りたい、戻りたくない。不幸だった訳じゃない。ただ、辛かった。心も体も結構きつかった。手首なんて変色して恐ろしい数の・・・手相より沢山の皺(傷跡)がある。右腕と比べると左腕は酷いもん。でも。生きてる。ただ、生きてる。何を求めれば良いのか見失いながら。ただ、生きてる。