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2005/11/25
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テーマ:徒然日記(23494)
カテゴリ:平安京の雅と闇

先日、「京都魔界巡礼団~オカルト編」という番組を見ました☆

平安時代に伝わる薄気味悪い逸話や、それにまつわる場所を紹介する番組。
平安時代好き、陰陽師好きの私には堪らん番組でしたよん♪
残念ながら、陰陽師:安倍晴明公は出て来なかったけれど、興味深い話がいくつか聞けてウハウハものでした。

そこで、一番「へ~~~」と思った話をちょっと紹介しますね。
まずは、「今昔物語」に納められた逸話から。。

「河原院(かわらのいん) 吸血鬼編」
東国から買官(ばいかん:役職を買いに)の為に夫婦が都に上って来ました。
が、手違いがあって予定していた宿に泊まれなくなり、つてを使って六条にある河原院に泊めてもらうことになりました。
しかし、この時点で河原院はすでに誰も住まない幽霊屋敷になっていて不気味な屋敷でした。
何日かした後、妻戸の内から扉が開き、中から手がヌッっと出て来て妻の襟首を掴み、妻戸の中に引きずり込んで戸がバタンと閉まってしまいました。
家人が妻戸を開けようとしてもどうしても開かず、何とか戸を壊して中に入った時には、妻は血と肉を吸い取られてぺッタンコになって息絶えていました。


この六条の河原院は嵯峨天皇の子、源融(みなもとのとおる)の屋敷でした。
この人は皇子でありながら、左大臣に昇ったとはいえ出世とは縁遠く、その境遇が酷似していると言う事で、源氏物語の「光源氏」のモデルとも言われている人です。

その源氏物語に「夕顔」というお話がありますね。
光源氏と逢瀬中に六条御息所の生霊に殺されてしまった、哀しき麗人。
後に源氏の養女になる玉鬘(たまかずら)の母上でもあります。

その夕顔との逢瀬の場所がこの「河原院」である可能性が高いのだとか。
物語には、「何某(なにがし)の院」としか書かれてないのですが、位置関係や当時は「幽霊屋敷」としての認知度抜群だったので、作者の紫式部はここを舞台として書いたんじゃないかと言う事でした。

その「河原院」ですが、源融亡き後、融の親族が宇多院にこの屋敷を献上します。
その後日談として、もうひとつ今昔物語に逸話が。。。

「河原院 亡霊編」
宇多院が夜屋敷を歩いていると、離れの方から戴冠束帯姿の御仁が座って頭を垂れていました。
宇多院が『どなたですか?』と問えば「私はこの屋敷の主です」と答えが帰ってくる。
『はて?そなたは融の大臣ですか?』
「はい、あなたがいらしてから、私はどうも居心地が悪いのです。出て行ってもらえませんか?」
それを聞いた宇多院は激怒!
『私はこの屋敷をあなたから奪ったのではないっ!あなたこそ、未練がましく出てくるとは何事か!』と一喝!
融の霊は掻き消えたと言う事です。
この話を聞いて都人は、「あの融の大臣に物申すとは。宇多院という方は大した方だ」と株が上がったそうです。


その後、宇多院が没してからは、いよいよ幽霊屋敷よろしく荒れ放題で魑魅魍魎が跋扈した屋敷へと変貌~~。
今は、五条大橋近くのこの場に「六条河原院跡」の碑が建っているのみです。


平安時代と言えば、やはり「源氏物語」が代表的な文学作品ですね。
その内容は現代の私達にさえ心に響いてくるもので、惹かれずにはおれません。
最近は義経ブームや「ま」さまが『子午線の祀り』で平知盛さんを演じられた関係で「平家物語」に傾倒していましたけど、私はやっぱり、武士の世界より雅な公家の世界の方が好きです。

堅苦しいようで、自由奔放な恋愛。。
顔も知らない相手に和歌で求愛~♪
香を焚き染めた部屋と衣装で愛しい殿方を待つ切ないひと時。
季節の花を添えられた後朝の文。

雅でござるなぁ。
姫じゃなくてもいいから、側付き女房で宮中に上がりたいものです。

と、そんな雅な平安京でも一歩間違えれば、怨霊や妖怪がウヨウヨしている闇に取り込まれてしまう。щ(゚ロ゚щ) オーマイガーッ!!
都のハズレというのは、一番妖しい場所ですね。
人通りや屋敷が少ない場所というのは、陰の気が満ち満ちてしまう~。
そんなところを夜更けに牛車に揺られて道行く御仁たち。
愛しい女に逢うために、怖いけれど日参するんですよね。

はふぅ~、いいな。。やっぱり、怖い目に合ってもいいから、平安時代に生まれたかった。。
そして、晴明さまに逢ってみたい~~ぞ。






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最終更新日  2005/11/25 10:55:02 PM
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