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カテゴリ:つきうさの舞台鑑賞日記
◆第38回 彦根城能 (彦根城博物館能舞台 13時開演) ■能「清経」 ★あらすじ 寿永二年(1183)五月、木曽義仲が礪破山で平維盛軍を破り、都に迫ると、七月に平家一門は都を落ちます。 平家の末路に早くも見切りをつけた清経(平重盛の三男:清盛の孫)は「雑兵の手にかからんよりは」と、 その秋、豊前国柳ヶ浦で入水します。 家臣、淡津三郎は、清経の形見の黒髪を持ち、人目を忍んで都の妻に届けます。 夫の死を嘆き悲しむ妻の枕辺に清経の亡霊が現れ、敗戦の恐ろしさ、不安、絶望の末、 入水に至る経過をつぶさに物語り、死後の修羅道の苦しさを述べた後、 今は成仏している旨を告げて消えてゆく。 まず登場したのはシテワキの清経の妻女。まだお若い女性なんでしょうね。 季節は秋なので、オレンジの艶やかな装束に紅葉が散りばめてありました。 そこへ、清経の家臣、淡津三郎が清経の形見(黒髪)を届けに登場するのですが。。。 このワキ方! 旅姿ですので傘を被って登場するのですがね。。 口元だけみると、薄い唇で色白でまるで女の人のような印象を受けたんですヮ。 そいで、都の妻女の元に着いたので、傘を取りさると。。 『まぁ!なんて男前!』(*´∀`)ぽっ (おいおい、いきなりそんな感想ですかいっ!) 妻女に清経の死を告げて形見の御髪を差し出すのですが、その語りをしている様子はいかにも苦しそうで、またもや、目がはぁと(_≧∀≦)ノ彡☆に。。 妻は戦死でも病死でもないその最期に嘆き悲しみ恨んで、髪を元に返そうとします。 と、ここで、ワキ方は切戸口から退場されてしまいましたぁ~( ゜Д゜)≡(*>Д<)ザンネーン!!! 勝手に入水して命を絶った夫を恨みつつ、哀しさや恋しさで枕を濡らしている夜の枕元に当の清経の亡霊登場~~。 その姿を見て妻女は不思議に思いつつも、愛しい夫の姿が見れることをありがたく思い、その一方で妻を置いてぼりにして、命を絶ってしまった恨みが交差する複雑な心境の有様。 若いから、夫が勝手に命を絶った事が許せなかったんでしょうね。そいで、形見の鬢の髪を返しちゃう!なんて言葉を口に出しちゃうんだわ。 でも、清経にしたら「なんで形見の髪を返しちゃうなんて言うのさ~」って恨みのひとつも言いたくなりますわな。 ここの、清経と妻の掛け合いが凄く良くて、とても印象に残りました。 もらったパンフに謡本が載ってましたので、書いてみますね。 妻「不思議やな まどろむ枕に見え給ふは、げに清経にてましませども、正しく身を投げ給へけるが、夢ならではいかが見ゆべきぞ。よし夢なりとも御姿を、見みえ給ふぞありがたき。さりながら命を待たでわれと身を、捨てさせ給ふ御事は、偽りなりけるかねことなれば、唯恨めしう候。」 清経「さやうに人をも恨み給はば、われも恨みは有明の、見よとて贈りし形見をば、何しに返させ給ふらん。」 妻「いやとよ形見を返すとは思いあまりし言の葉の、見るたびに心づくしの髪なれば、」 清経「うさにぞ返す本の社にと、さしも贈りし黒髪を、飽かずは留むべき形見ぞかし。」 妻「あろかと心得給へるや。慰めとての形見なれども、見れば思ひの乱れ髪。」 清経「わきて贈りしかひもなく、形見を返すは此の方の恨み。」 妻「われは捨てにし命の恨み。」 清経「互いにかこち、(恨み言)」 妻「かこたるる、」 清経「形見ぞつらき、」 妻「黒髪の、」 地謡「恨みをさへにいひ添へて、くねる涙の手枕を、並べて二人が逢ふ夜なれど恨むれば独寝の、ふしぶしなるぞかなしき。げにや形見こそ、なかなか憂けれこれなくは、忘るる事もありなんと思ふも濡らす、袂かな思ふも濡らす袂かな。」 妻の言い分は理解できなくもないんですけど。。 でも、「妻が寂しがるだろう」と贈った形見の髪を「こんなもん。いらん!」って突っ返されたら逆に恨み言のひとつも言いたくなりますね。 この後、清経が入水に至ったまでの話を妻にして、死後も奈落の修羅道が待ち受けていて苦しいけれど、今は成仏していると消えてゆくのですが。。。 全体的には動きの少ない能でしたねぇ。 でも、眠くなる事はなかったな。。清経の妻への恋慕が感じられたし、見るからに若々しい衣装に心奪われていました。 最初から上衣の肩袖を脱いで登場しているのも新鮮だったり。。 多分、戦いの最中に入水した時の姿なんでしょうね。 上衣は上品な深緑で紅葉の絵が金や白で描かれてました。 清経が自殺の経過を話して聞かせる場面で、「 …腰より横笛抜き出だし、音も澄みやかに吹きならし今様を謡ひ朗詠し…」のところで笛の音が静か~~に「ひょ~~~ろ~~」と鳴った時は鳥肌が立ちましたヮ。 「替之型」って事で、ツレやワキのセリフが幾分か抜かされてる所があって、小1時間くらいで終わりました。 それにしもて、ワキ方の人。。ファンになりそうだわ。。(こんな感想でスマソ) ここから番外レポなり~♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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