野村万作・萬斎 狂言公演
2008年3月8日(土) 午後2時開演 びわ湖ホール
◆枕(解説) 野村萬斎
◆独・素狂言 「柑子(こうじ)」 野村萬斎
◆狂言 「鏡男」 夫:野村万之介 鏡売り:高野和憲 妻:石田幸雄
後見:深田博治
◆狂言 「骨皮」 新発意:野村萬斎 住持:野村万作
檀家:竹山悠樹 檀家:月崎晴夫 檀家:深田博治
後見:岡 聡史
すっかり、感想を書くのが遅れてしまいました。。
いやはや。。。鞍馬天狗も終わり。。生萬斎さんの狂言会も終わり。。
1月。。いや、去年から張り続けていた「気」がスッカリ抜けてしまい。。。
風邪をひきました(泣) もう、ボロボロですわ~。
実のところ、このびわ湖ホールの公演の日もすでに体調不良(頭痛に喉痛に下腹痛)に見舞われつつあったのですが、薬を飲むと眠くなるので我慢していました。
ですけども、萬斎さんがお話下さった「枕(解説)」も頭がボーーっとして、ほとんど覚えてないような状態です。
でも、覚えていることだけでも書いてみますね♪
まず、舞台の様子ですけれど~~。
もうね~。すっかり落語の寄席のまんまの舞台設定でした。
ただ、机(?)が無いだけって感じで、舞台の上部には紅白の提灯が並び、中央の六つの提灯には「狂言」の字が書かれていました。
舞台の後ろには4枚の襖と壁。襖の上には「びわ湖狂言」の文字が掲げられていました。
そして、舞台右手に「野村万作・野村萬斎 狂言公演」と書かれた寄席の式次第が。。
開始5分前には、寄席囃子が鳴って盛り上がる~~。
って、狂言だよね? 今日は狂言を見に来たハズだが。。(笑)
舞台右袖から、万作さんのお弟子さんの岡さんが出て来られて、紫のお座布団を舞台の中央に置いていかれました。
そして再び寄席囃子~~。再び、岡さんが出て来られて、式次第をペラリとめくられました。
すると、「枕」「独・素狂言」の文字が!
んでもって、萬斎さんのご登場~~。
万来の拍手で迎えられる萬斎さん。
うを~~。紺の紋付ですな!
何だか「着流し典膳&天狗さん」に慣れていた私には、かえって新鮮に映ったわ~~。
お座布団の上に座って、深くお辞儀をなさる萬斎さん。
つい、私も頭を下げてしまっちゃうじゃないですか。
開口一番!
「え~~。みなさん、こんばんは。。。
あっ!“こんばんは”じゃないですね。“こんにちは”でしたね。
昨日が“こんばんわ”でした。」
あれあれ~?間違っちゃった~~。会場(笑)の渦。
そうなんですよね。前日は夜の公演で、この日は昼間の公演だったんです。
ややこしくて、間違っちゃったんだよね。
のっけから、笑いが起こって会場はかえって、リラックスムードになったかもしんない。
萬斎さん。掴みはO.K!ですぞ。
「今日は、まるで落語の寄席高座のような舞台になっていますね。
独・素狂言とは、どういうものか?そもそも「素狂言」などという言葉はありません。
能楽では「素うどん」ならぬ、「素謡」や「素囃子」というものがありますが。。
狂言を落語の寄席のように一人で演じてみようというわけです。」
ここで、ちょっと間をおいて。。
「よせよ。。。ってなわけで。
今は、ちょっとした落語ブームのようで、ドラマで流行っているようですが。。
どこかの狂言師も出てますし。。(笑)」
出た!萬斎さんの「溜め後ジョーク!」
『寄席は、よせよ』ですか~(爆)
そして、ドラマは「ちりとてちん」に、狂言師は「もっぴー」の事ですな。
はいはい、存じてますよ~。
このびわ湖ホールに来られるまでは、福岡の方で公演があったのですが、そこの方に「次はびわ湖ホールに行かれるんですか?今、びわ湖ホールは大変なことになってるんですよ」と、言われたそうです。
「びわ湖ホールが大変な事になってる。。ホントにねぇ。大変ですねぇ。
財政問題で、半年間休館しろとか、そういう話が出てるらしいですね。
来年10周年になるわけで、こちらも10周年記念に何か。。と思ってるんですけど、
どうなっちゃうんでしょうか。
いつも皺寄せを食うのが、『文化・芸術』関係なんですよね。
今、署名運動(反対の)をされてるそうですから、皆さん、同意していただけるかたは
名前を書いて出して上げて下さい。昨日は250人くらい集まったそうですよ。」
と、仰る。私。。滋賀に住んでいながら、このことを全く知らなかったんです~。
一体、萬斎さんは何の事を仰ってるんだろ~~?と思ってました。
全く、検討がつかなくて。
でも、あんなに立派なホールが存続の危機に立ってるなんて、凄く意外!
県内でも唯一、他所に誇れるホールなのにさぁ。
半年も閉めちゃったら、余計に経費がかさむんじゃないの?
その署名用紙は、会場で配られたパンフの中に入っていました。
ですから、帰りに家族全員の名前を書いて出して来たわ~。
一応、来年の万作家の公演は決まってるからいいけど、その後が心配になるじゃん。
びわ湖ホールの公演が無くなったら、もう萬斎さん会えんくなるもん~。それは、困る!
その後、過去に横浜で柳家家禄さんと狂言と落語のコラボをされた事、スペース・ゼロでかけた舞台と同じ舞台を今回やることになったと仰いました。
でも、前の「独・素狂言」では、「選曲を誤りました」と、仰ってました。
「佐渡狐」という曲をされたのですが、登場人物が3人いるので、落語式に一人で三人を演じているうち、「どっち向いて喋ったらいいのか混乱してしまって、頭が真っ白になって詰まってしまった」そうです。
確かに。。3人はこんがらがりますね。動きがあるのなら、まだしも。座ったままなんだもの。
ですから、今回は二人だけが出てくる「柑子(こうじ)」という曲を選ばれたようです。
柑子の簡単な紹介もしてくださいました。
「柑子には六波羅という所が出てまいります。。。ここから近いんじゃないですかね。。
そして、俊寛。。この名前もどこかでお聞きになったことがあるかと思いますが、
俊寛僧都もこの曲には出てきて、それが最後にはどう絡んでくるのかは、
聞いてのお楽しみです」
そして、次は狂言「鏡男」の曲紹介。
「鏡男。。。ミラーマン。。(またもや溜め後ジョーク!)
どうでもいい事ですが。。
今はね、プリクラも下から光を当てて、皺を飛ばしてくれるらしいですね~。」
妙~~な溜めをまた作り、口元を緩めながら上目遣いに会場を見る萬斎さん。
モチロン、会場はクスクス笑いが絶えないのでござった~。
この曲紹介の時、舞台となる(新潟かな?)松之山温泉に、毎年お仕事で行かれるそうで、秘境も秘境で
「新幹線を越後湯沢で降りて、そこから車で1時間半ほど山道を行くんですね~」
たどり着くのに何時間もかかるのだと仰ってました。
能では「松山鏡」が同曲であるけれど、どうやら悲惨な内容らしく、あまり演じられないんだと言われてました。
落語にも「松山鏡」として同じ内容のものがあって、こちらには「老婆」が出てくると仰ってました。
そして、次は狂言「骨皮」の解説。
「骨皮。。 ほねかわすじえもん。。。」
また~~~!ジョークの王道ですよね。ホネカワスジエモン~~(爆)
「お寺の新発意(しんぼち)が住職からの位を譲られて。。まぁ。お寺もねぇ。
経営をしていかなくちゃいけないんですね。
この辺りにもお寺はたくさんありますね。
ワタクシもついこの前まで、この近くの西教寺で撮影をしていましたが。。」
おぉ~~。鞍馬天狗の撮影の話ですな!そうそう。西教寺は大津だもの!近い!近い!
(大坂城代を人質に逃げ回ってた渡り廊下とか、あの辺のシーンが西教寺だと思います。)
この曲は艶っぽいお話が裏に隠れている事、「狂言には下ネタはほとんどないんですが、そういう意味では珍しい曲です」と仰ってました。
「いちゃ=女」「眠蔵(めんぞう)=ベッドルーム」などと、面白おかしくお話してくださいました。
あ~~。ダメだ。「枕」だけでも、これくらいしか覚えてない。
曲の中身は。。レポする自信は失せてしまってますが。。
忘れないうちに頑張って書いていきたいと思います。
萬斎さんが仰られた言葉。。多分、全然違う言葉を使っておられる部分もあると思いますけど、
だいたい、こういうニュアンスで。。と、思っていただけたらな~と。。
すみません。いい加減で。年々、物覚えが悪くなってまともなレポが書けなくなって来た。
ご許されませね~。
それから!
萬友の「みやこさん」と「るるり、さん」にも無事、再会を果たし、それはそれは充実した狂言会でありました♪
楽しかったね~。また、お喋りしようね♪
では、では、続きはまたの機会に!さらば!(まだ、天狗を引きずってるわ~)