今日は、「角兵衛獅子 前編」の語録です~。
この「角兵衛獅子」はラストのお話になるので、近藤局長との絡みも含めて書いて行きますね。
では、隼の長七が杉作の案内にて新選組を宗龍禅寺まで手引きし、天狗と新選組の対決となった場面から。
「この先、どうでも通りたくば。。その剣にて挑まれよ。」
「望むところだ。 一気に地獄に送り込んでやる!」(By土方副長)
=鞍馬天狗と新選組が激しく剣戟。そこに、近藤勇が登場する=
「まだ、始末がつかんのか!」(By近藤局長)
「天狗ぅ」
=鞍馬天狗も近藤勇に気づき、にらみ合いに。その間、杉作は鞍馬天狗と倉田典膳が同一人物だと気づく=
=鞍馬天狗に対して剣を引き抜く近藤勇。一方、天狗は剣を鞘に納める=
「みな、逃げ果(おお)せたならば。。これ以上の斬り合いは。。無駄。
もはや、お暇いたそう。さらば!」
=烏跳躍にて塀を飛び越え、騎乗し去る鞍馬天狗=
次は、典膳さんが長七の家に角兵衛獅子の子ども達を助けに行く場面
「随分、世話になったなぁ。 礼を言いに来たぞ。」
=典膳の顔を見て、逃げ惑う長七。その長七の襟首を掴み懲らしめる典膳さん=
「長七ぃ~。焼け火箸がどれほどのものか。。お前の顔で試してやろうか!」
「命だけは。。命だけは!」(By長七)
「命は取らん。試すだけだ!」
「お情けを!お情けをお願いします。」
「馬鹿め!」
=長七を突き飛ばし、激しく罵倒する典膳さん=
「大人のお前でさえ耐え難いことを、誰に加えようとした!
こどもだぞぉ。まだ年端もゆかぬ幼子だぞ!
鬼めぇ! 外道め!」
「悪うございました。悪うございましたぁ!」
「わかったか!」
「わかりました。よ~く、わかりました。」
「どう、わかった!」
「は、はい。もうしません。もうしません。決して。」
「よし。。ならば。。。私の言うとおりにするな?」
「は、はい。します。します。」
「お前のような下郎に。。この子たちを預けてはおけぬ。 今から、私が引き取る!」
「んな無茶な!」
「よいな!」
「はぃ。。」
=子ども達に向き直り、一転、優しい笑顔を見せる典膳さん=
「もう~、大丈夫だ。」
次は~。杉作に正体を明かし、「鞍馬天狗の真髄」を説く倉田典膳さんのシーン
=典膳の横顔を眺めていた杉作が、意を決して問いかける=
「おいちゃんは。。鞍馬天狗さまでしょ?」
=典膳は右手の人差し指と親指でV字を作り、自身の顔の鼻の下を覆って杉作にその顔を見せる=
「やっぱりぃ。」
「ふふ。。この事は秘密だぞ。 誰にも言ってはいけない。
男と男の約束だ。 守れるな?」
「うん。守れる!」
「ところで。。天狗の事だが。。
宗龍禅寺では、私を助ける為に。。短筒を持った男に、体当たりをしてくれたそうだな?」
「気持ちは嬉しいが。。杉作。これからは決して。。そのような事はしてはいけない。」
「私は。。杉作のような子ども達に。。幸せに暮らしてもらいたい。と、そう思って闘っているんだ。
だから、私を助けるために。。杉作が怪我をしたり、命を落としたりしたら、元も子もないのだ。」
「でも。。おいちゃんが死ぬのやだもん。」
「大丈夫!私は不死身だ。」
「えっ?! 死んでもお化けになって出てくるの?!」
「はっはははははは。。。そうじゃぁない。 私が死んでも、天狗は死なん。
鞍馬天狗と同じ志を持った人が。。きっとまた。。いやぁ、必ず、現れる。
だから、心配はいらぬと言っているのだ。」
「じゃあ、やっぱり死ぬんじゃないか。。」
「杉作。。。私だって、死にたくはない。 生きて。。喜びたい。
だが、天狗には。。命を賭けても、守らなければならぬ、大切なものがある。
わかるな? それが。。鞍馬天狗、なのだ。」
いよいよ、暗殺人別帳を手に入れるために典膳さんが動く!
まず天狗に変身し、新選組の原木十蔵を襲う場面から。
「誰だ。」(by原木十蔵)
「鞍馬天狗。 参上。」
「貴殿から頂戴したき物がある!。。と申せば、見当はおつきであろう」
「金か・・」
「ふっふふ。。 隠し立てはご無用。 数多(あまた)の人の命に関わる事。
力ずく、腕ずくでも<頂戴つかまつる。」
=天狗と原木が剣を合わす。が、天狗が原木の喉元に白刃を当てて勝負あり=
「命を取ろうとは言わぬ。。原木十蔵氏。 お主の身分を表す割符。。。それをよこせ。」
「そのような物。 手に入れてどうする気だ。」
「知れた事。。お主に成り代わって、この私が。。大坂城へ出向くのだ。」
「ならん!それは、ならん!」
「ならぬと言われても、引き下がるわけにはゆかぬ。 さぁ!割符を!」
=刀を捨てる原木氏=
「わかった。わかった。 命には代えられん。」
「賢明なる、ご決断。」
=懐から割符を出すと同時に、右手で短筒を握る原木。振り向きざまに天狗を撃つ刹那!
天狗の懐から覗く左手に握られた短筒で先に撃たれて殉死=
「愚か者め。」
=原木の持つ割符と書状を手に入れる鞍馬天狗=
新選組の原木十蔵に化けて、大坂城に赴く倉田典膳さんの場面。
「新選組からのご使者か?」(By大坂城役人)
「さようにござりまする。新選組の。。原木十蔵と申します。」
「原木氏といわれるか。ふむ。」
=典膳の持つ割符と、大坂方の割符が合致!=
まんまと、大坂城代:御厨政寅と面会する倉田典膳。
「書状はこれに。 持参いたしております。」
「大切なる書面。 万一を慮(おもんばか)って、隠し持って参りました。
いや、かくの通り、お見苦しき点は。。幾重にも。。」
「いやいや。。遠路、大儀であった。」(By大坂城代)
=書状内容を読み、典膳を一瞥する大坂城代=
「明日。。夜、宇治まで来てくれと言うのか? これはまた、どうも。。性急な話だ。」
「なにさま。。不逞浪士どもの横暴跋扈(おうぼうばっこ)は、目に余りまするゆえ、
一日も捨て置く訳には参りません。 この危急に応じて、かねてよりのご計略を。」
「うむ。まさにその通りだ。その為に、暗殺人別帳を作成したのだからな。」
「さよう。。しからば。。早速、拝見出来ましょうか。」
=暗殺人別帳を手に取り、何食わぬ顔で中身を調べる典膳さん=
このお話に杉作が登場し、天狗さんの弱い者に対する優しさがより一層増して来ましたね。
理不尽な親方、長七から子ども達を救い出し、常に優しい眼差しを向けている典膳さんや天狗さんが
本当に素敵でした。
近藤勇も天晴れないい男で、子どもに対する思いやりある目線は天狗さんと共通する所がありますね。
なんてったって、杉作ちゃんの健気な姿が良かったわ~。
ボロボロと涙を流すシーンでは、こちらも涙が止まりませんでした。
天狗さんが原木から割符を奪おうとする時、原木が言う「金か。」というセリフ。
見逃しがちだけど、あれは、天狗さんを愚弄する最高の言葉でしょうな。
その言葉を聞いた時の天狗さんの苦笑いが、それを証明していました。
「金では動かぬ鞍馬天狗」
これは、新選組の中で周知の事実であった筈。(山嶽党奇談で局長自身が所司代に語ってました)
それを承知で「欲しいのは金か?」と問うている原木は、度胸が据わっている隊士だと思いました。
さて。。残るは、いよいよ最終回!
苦しいくらい激しい展開の「角兵衛獅子 後編」でしたね。では、また明日にでも。