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2008/11/17
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  『茂山狂言鑑賞会』  てんびんの里文化学習センター

   2008年11月16日(日)  午後7:00開演

   ◆ 解説    茂山千三郎

   ◆「萩大名」  大名:茂山千五郎  太郎冠者:茂山逸平  庭の亭主:茂山宗彦
                         後見:島田洋海

   ◆「濯ぎ川」  男:茂山七五三  女房:茂山 茂  姑:茂山千三郎
                         後見:山下守之



15日(土)のメタボ狂言に引き続き、今度は少し南に足を延ばして茂山家の狂言を見て来ました♪

千三郎さんの解説♪っていう事で、期待度超ド級~でした。
千三郎さんって、お話し上手ですね~。 まぁ、人前に立つことをなりわいとされていますので、当たり前の事でしょうけれど、とっても楽しく拝聴しました。

解説の内容を少し。。
この「てんびんの里」で開催される狂言会も12回目になるそうで。。
そんなに長きに渡って開催されてたとは知らなかったのでビックリです。
そして、この日の午前中は奈良へ学校狂言に行ってらしたそうで、そこでの子ども達の反応に感激したと仰ってました。
特に低学年の子たちがね、純粋な心で狂言を見てくれて、嬉しかったそうですよ。
「附子(ぶす)」と「柿山伏」を上演されたらしく、附子の猛毒を扇で仰ぐ時、「それ以上、近づいたらアカン!」とか、山伏が柿を取って食べる仕草の時は「おっちゃん。もうそこには柿はないで」と教えてくれたりとか、とにかく反応が早い。

それなのに、子どもでも年齢が上がっていくほど反応は鈍り、大人に至っては、周りの顔を眺めてから笑ったりするので、子ども達よりワンテンポ反応が遅くなると言われてました。

んでもって、狂言鑑賞を始めるのは小学校5~6年が一番最適なんじゃないかと仰ってました。
中学生になると、もう手遅れなのだとか。反抗期も手伝って、「見させられている」と思ってるから笑わないのだと。
確かにね~。私も中学の頃、学校狂言を見たような記憶があるのだけど、全然、おもろくなかった。。
というか、あまり記憶にないのでございます。

6年生の教科書に「狂言」が出てくるらしいのですが(今もそうなのかな~?)、千三郎さんが6年生の時に「見本に読んでくれ」と先生に言われて狂言セリフを読んだらしいのですが、全然、受けなかったようです。
ただ読むだけでは、面白くないに決まってる(視覚効果があってこそ、伝わるものですよね)んだから、こんな教育方法では「狂言は面白くない」と思ってしまう子が多いのではないかと仰ってました。

そして、「能」と「狂言」は「能楽」という言葉で同じ仲間になるけれど、実際には「水」と「油」で、狂言の『笑いの型』と能の泣く仕草の『シオリの型』を見せて下さいました。

そんなこんなで(実は、大半忘れてしまいました。。)、面白可笑しく解説を進めて下さって楽しい時間でした。



◆「萩大名」

=あらすじ=
  都に滞在中の田舎大名が退屈しのぎの遊山に、ある庭の萩を見物に出かけます。
  ところがそこへ行くと庭の亭主への挨拶がわりに歌を詠まなければならないと知り、
  風流なたしなみにはまるで縁のないお人柄とあって出かける前から大騒ぎ。
  そこで太郎冠者が「七重八重 九重とこそ思いしに 十重咲き出づる 萩の花かな」という
  歌を大名に教えますが、一首の歌さえ覚えることができません。
  うろ覚えで庭で出かけた大名は亭主を巻き込んでトンチンカンな振る舞いをします。
  主人をフォローしようと太郎冠者は苦心します。そして、ついに歌を詠むことに・・・


千五郎さんの田舎大名さん。風流な遊びや嗜みにはまるで疎い愚鈍さが随所に現れて、苦笑~と爆笑~の連続でした。
それでいて、妙~に偉そうなんだよね。庭の亭主を呼ぶ時も、大名としての威厳をひけらかすように威張って呼んだりする。
んでもって、ろくに歌が詠めなくて、覚えられなくて。。

太郎冠者のイッペちゃんが扇を使ったりして一生懸命伝えるんだけど、まるでダメ。
「七重八重」を「七本八本」と言ってみたり、「梅の古木」を「梅のごもく」と失言したり。。
主人の余りな愚鈍さに呆れた太郎冠者が、こっそりとその場から退出した後は冷や汗タラタラの大名さん。

「後の句は?」と、庭の亭主に何度もせがまれ迫られ、ようやく太郎冠者が足の脛を指していた事を思い出し、「太郎冠者のむこう脛」と歌って亭主に呆れられる。
本当は「萩の花」が答えで、それを大名に教える時に太郎冠者は「足の脛(はぎ)」と「鼻(花)」を指差してたんですよ。
それが、足の脛の光景しか思い出せず「太郎冠者のむこう脛(ずね)」なんて、意味のない事を言ってしまう。

太郎冠者がいないと何にも出来ない大名さんが哀れであり、可笑しくもあり。
千五郎さんのすっとぼけた雰囲気がええな~。大好きだわ。

そして、もっぴーといっぺちゃんの兄弟はメタボ狂言の時とは違い、「しっかり古典やってます!」ってオーラが出てて良かったです♪
もっぴーのストイックな感じがいいな~。
いっぺちゃんも甲斐甲斐しく主人に仕えながら、後は知らん~って感じで投げてしまう所は太郎冠者らしくって良かった♪

一緒に行った娘もたくさん笑ってて、狂言好きな子になってくれてホント嬉しい~☆



◆「濯ぎ川」

=あらすじ=
  毎日、嫁と姑に追い使われる養子の男。この日も裏の川へ洗濯に行けと言いつけられます。
  まだろくろく時もたたぬうち、やれ蕎麦を打て、やれ水を汲めとつぎつぎに用事を言いつけられ、
  男は「用事を忘れぬよう、紙に書き付けてくれ」と言い出します。
  嫁と姑は、朝から晩までの用事のことを次々と文にしたため、聟に渡します。
  聟は文に書いてないことはしなくてもよいと、約束をとりつけ、ほんのほんのささやかな
  抵抗を試みますが。。。


この「濯ぎ川」という曲。一度、テレビで見た事があって、その時も聟殿は七五三さんで、姑は千三郎さんでした。
この配役は最高です。おまけに嫁さんは茂さん。茂さんの「わわしい女」もホントに良く似合う!

女二人が聟をこき使う、こき使う! 聟に家事をやらせて、お前らは何の仕事をするんじゃい? と、問いたくなるくらいあれもこれもいいつける。
ヒステリックな茂さんの攻めたてる声を聴いていたら、「はいはい、わかりました」と、承知してしまう聟殿の気持ちもわかるわ~。
ホンマにかしましいったら、ない。

杖をついて姑の千三郎さんが舞台に登場された時、面をつけてらっしゃるからかも知れないけれど、遠くから聟を呼んでいるように、声を変えている印象を受けました。
川に近づくにつれ、大きくなっているように感じたのだけど思い過ごしでしょうか。
でも、千三郎さんならそんな技術もありうるかな~と思ってみたり。

聟さんからしたら「クソバ○ア」ですわね(笑) ホンマに強烈~なバアさんです。
口答えする聟に、杖をバトンのようにグルグルと振り回して攻撃しようとするんだもんなぁ。
聟殿は堪ったものではありませぬ~。

二人が聟殿にやってもらう仕事を紙にてんこ盛り書き付け、「紙に書いてない事をしなくても良い」な~んて言ってしまったから、聟殿の逆襲~~~が始まるのです。
わざと洗濯していた小袖を川に流し、「はよ拾え~」という二人に「紙に書いてない」と返事をして、無視。
小袖を拾いに川に入った嫁が足をとられて流されそうになっても、無視。

姑さんが「悪かった~。これからは聟殿を主にして大事にするから、娘を助けてくれ」と懇願して、ようやく嫁を助けた聟殿だけど、姑と聟殿の会話を聞いてなかった嫁さんは「この役立たず~」と言って、聟殿を追い回してしまうんですよねぇ。
姑さんは止めに入るけど全然効果なく、二人が先に退出した後、一人残って書き付けの紙を破ります。

一応、姑さんには聟殿が頼りになる存在で、大事にしなきゃイケないとわかったってことだよね。
これからは二人の間に入って、仲裁しながら暮らして行くような気がしました。

姑の千三郎さん。破いた紙をボール状に丸めて、会場に向けて投げるのか!?って、仕草をされましたが、そこはやはり古典です。舞台にポンと落とされました。
ですが、ちょっとオチャメで面白いサービスもして下さって、退出される時は「お尻ペンペン」されて会場の笑いを誘って、天下一品な足の悪い姑さんを最後まで演じて下さいました。



やっぱり生の舞台はいいですよね♪ 演者と会場のお客さんが一体となる瞬間がいいわ~。
今回は、7月に京都へご一緒した「桃李花.さん」との再会も出来て、本当に嬉しかったです。
自由席だったので、先にご到着されていた桃李花.さんに席を取っていただいて、大変お世話になりました。桃李花.さん、ありがとう~ね。

行けるかどうか、最後までわからなかった狂言会でしたけど、行って良かったです。
ロビーで茂山家の来年のカレンダーを買って、公演後、イッペちゃんともっぴーにサインをしていただきました♪
もっぴーには「昨日のメタボ狂言も拝見しました。すっごく面白かったです。」って、伝えることも出来ました♪
「ありがとうございます♪」とお返事を下さって、感激~。
(ついつい、これが『ま』様だったらな~って思ってしまった。。虚しい想像ですが。。)

「来年も行こなーー♪」と、娘とワイワイ話しながらついた帰途の車中も楽しかった一日でした☆






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最終更新日  2008/11/18 10:32:29 PM
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