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2012/08/11
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   彦根城表御殿 『夕涼み 狂言の集い』

     2012年8月11日(土) 午後6時半開演  彦根城博物館 能舞台

        
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大蔵流狂言 
★解 説     茂山正邦
★「骨 皮」   茂山童司  茂山あきら 島田洋海 丸石やすし 茂山逸平
★「清 水」   茂山七五三  茂山茂
★「仁 王」   茂山宗彦 茂山正邦 茂山千三郎 茂山茂 茂山逸平 茂山童司
         丸石やすし 茂山千五郎


「夕涼み」とはいかない蒸し暑さが強烈に残る夕暮れ。千五郎さんチの狂言に足を運びました。
チケットを取ったのは、今週の月曜日。右端の方ですが、幸運にも最前列が残っていた♪

受付には もっぴー(茂山宗彦さん)が座って、ファンクラブのスタンプ押すのに待機されてました。
千五郎家(ファンクラブ会員)は狂言観るたびにスタンプ押してくれるんですよねぇ。
んでもって、今日は「太郎冠者のあせふき」と銘打った「てぬぐい」の発売初日だそうで、草色と黄色の二種類が狂言グッズで売られていました。
買えば、もっぴーがサインしてくれるそうで、初日のご祝儀ということで黄色を購入♪(800円也)

もっぴーが親切にも柄の説明をしてくれました☆彡
「これは狂言紋で、こっちは太郎冠者が着ている着物の格子柄になってるんです。」
もっぴーのお母さんに1000円渡すと、「はい、1千万お預かりだから、200万お返しして~」とサインしながら もっぴーが言う(笑)
私も「はい、200万、確かにいただきました~」と返事。関西人の垣根なしのノリが心地よい♪
もっぴーが自転車好きで、よく琵琶湖の湖周道路を走っているのを知っているので、「今日は自転車で来られたんですか?」とかましてみる(爆)
「いやいやいや。今日はさすがにね。自動車で来ました。」と爆笑しながら答えてくれるもっぴ~。
「この前、こっちの方に来たんですけどね、途中でパンクして大変でしたヮ。」と、言ってました。

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★解説
茂山千五郎家次期当主。正邦さんが切戸口から登場。いつもの拍手が見所から湧く。
「夕涼みと名がついてますが、暑いですね。」という言葉から始まり、演目の紹介よりも今日は能舞台のしくみのお話をして下さいました。
能狂言は昔は野外で行われていて、その名残で能楽堂という室内の舞台であっても屋根と四本の柱、そして橋掛かりというスタイルを継承している事。
屋根があるのは、能舞台と大相撲だけだとおっしゃていました。
そして、柱一本ずつに名前がついていて、舞台面も9分割してそれぞれに名前がある事。
お稽古される時の台本には、事細かに立ち位置がどの部分になるのかなど記載されているそうです。
大相撲の柱は房に変わったけれど、能舞台の柱は変わらず使われている。
しかし、この目付柱が席によって邪魔になって仕方ない。
だから近年は、この目付柱が取れる能楽堂もあるのだと、おっしゃってました。
けれど、能のシテは面をつけているので、この目付柱を狭い視野から探して演じるので、やはり必要なのだとおっしゃっていました。

橋掛かりは斜めについていて、その前の白洲にある松は奥に行くほど背が低くなっているので、それで遠近感を出している。
この橋掛かりの部分は、演目の中では見た目よりは長い距離である事を現しているんだとおっしゃっていました。

鏡板に描かれている松は、奈良の春日大社の松で、歌舞伎の舞台にも松が描かれているが、あちらが根っこまで描かれているのに対して、能舞台の松は途中で切れている。
それは、舞台が地面より高い位置にあるから。
「松には神が宿る」と言われていて、能や狂言を神様に奉納するという意味で松が描かれているとの事。
でも実際、その神様にお尻を向けて演じているんじゃないかと、思うだろうけど、鏡板に映った松。ということで、実際には見所側。舞台の正面にある松が鏡板に映っているという事なので、心配しないでと仰ってました。

正邦さんが天井を見上げて、「滑車があるんですけど、あれは道成寺の鐘をつるすための滑車です。そして、鐘を吊ったらこちらの柱にワッカがあって、そこに括り付けるんですけど、この舞台の柱にはワッカがないですね。というのも、彦根藩はかつて喜多流の能楽師を抱えていたんですが、喜多流の道成寺はずっと手で縄を持っているんです。だからないんですね。」と言ってました。
ずっと、持っているって、すごく大変~。ホントに今でもそうなのかなぁ。凄いな~。見てみたい~。

最後に、例のてぬぐいを出してこられて、宣伝マンに変身(笑)
今回は第二弾だそうで、第一弾は「大名のひざかけ」だったそうです。
暑い日が続くので、ぜひこの「あせふき」を利用して下さい、との事でした♪


★『骨皮』
<あらすじ>寺を譲られる事になった新発意(しんぼち:茂山童司)は、住持(茂山あきら)に檀那衆が大切と教えられます。新発意は教えに従い、傘を借りに来た男(島田洋海)に新品の傘を貸してしまいます。それを聞いた住持は、そのような時には「辻風に遭い、骨は骨、皮は皮になってしまった」と断りなさいとたしなめます。すると新発意は、馬を借りに来た者(丸山やすし)にその文句をいい。。。


前に萬斎さんチでも拝見した演目。
楽しいね~。傘を貸すのを断る理由を馬を借りに来た人に、もっともらしく言う新発意さん。
「骨は骨、皮は皮になって、真ん中でぎゅーっとくくって屋根に放り投げた」
おいおい。それって死んでるんじゃ?
住持に叱られて、今度は斎呼び(何回忌とか、そういう頼み事)に来た人(逸平ちゃん)に自分は行けるけど住持はムリかも。。て、断る理由に新発意さんが使うのが、馬貸しを断る理由。
「崖から落ちて、腰をもんどりうって動けなくなったから、コモに巻いて厩で寝転がして、今朝も様子を見に行ったら、目だけをギョロギョロ動かしている態だから、あれでは使い物にならない。」

見所は物語が進むたびに笑いの渦でした。
あきらさん童司さん親子の掛け合いと、檀那衆の困惑の表情が面白くって自然と頬が緩んでしまいます。

最後は新発意に「いちゃ」とネンゴロになっていた事を指摘されて、住持さんが逆にやられて終わるというエロ展開になるのも、人間らしさが出ていて面白かった。

イッペちゃんの発声が一段と大きく、髄に響きました。なんとも言えないオーラがあるな、彼には。



「清 水」
<あらすじ>主人(茂山茂)から茶の湯で使う水を野中の清水へ汲みに行くように命じられた太郎冠者(茂山七五三)。しかし行きたくないので鬼に襲われたふりをして帰って来ます。
すると主人は太郎冠者が置いて来てしまった秘蔵の手桶をおしがり、自ら清水へ行くと言い出します。
それを聴いた太郎冠者は先回りし、鬼の面を被って主人公をおどします。慌てて逃げだ出した主人ですが、太郎冠者をひいきした鬼の言葉や、太郎冠者そっくりの声など合点のいかないことが多いことに気づき。。


水汲みをサボりたい太郎冠者が思いついた妙案。最初は上手くいくんけど、生命を助ける条件が太郎冠者贔屓になってしまう浅はかさが人間らしくって良いですね。

何より、七五三さんの元気なお姿を拝見してホッとしました。
鬼の面をつけに後見の所に行く時に、ペットボトルの水を飲んでらっしゃったので、そういうフォローがまだ必要なんだな~って思った。
喉に腫瘍があるって事で休養されていましたが、お声は前と変わらず、ハリもあって良かったです。


★「仁王」
<あらすじ>賭博で財産を失った男(茂山宗彦)は、友人(茂山正邦)の家に行き、今後を相談することに。すると友人は、仁王になりすまし参詣人(千三郎、茂、逸平、童司、丸山やすし)から賽物をだましとる計画をもちかけます。最初は上手く事が運び、たくさんの賽物が供えられます。味を占めた仁王の男は、残って次の参詣人を待ちます。すると、足の悪い男(茂山千五郎)を連れた最前の参詣人が来て。。


もっぴーの仁王さん。彼らしいアドリブがちょこっと入る。正邦さんや後見の手を借りて舞台上で仁王姿に変わる時に「いたたた。。ちと、いたいでござる。」って言ったりしてました。
腰をグルグル回してみたり、リアクションも面白く、こういう曲はもっぴーに合ってる気がします。

参詣人のお願い事が楽しみな「仁王」の曲。
千三郎さんは「消費税5%が維持されますように」
茂さんは「仕事が暇で、暇だと御酒を飲みすぎるので、肝臓を守って下さい。」
イッペちゃんは「今日、発売の『てぬぐい』がどうぞ、売り切れになりますように。」
童司くんは「女子はアメリカに負け、男子はメキシコに負け、韓国にも負けて、もうお願いすることがなくなりました。4年後、今より良い結果になりますように。」
丸山さんは、ファンなら誰もが知っているおなじみの黒髪エクステ賽物を持参。
見所から笑いと拍手が起こると、見所に軽く会釈をし「私の願い事はいつも一緒。もう今更なくてもいい。。といえども、七五三は良いものをつけ、千五郎も「あれはいいな」という。どうぞ、ふっさふさになりますように。。」

笑い声が止まる間もなく、次から次と波打ってました。
最後に足の悪い参詣人の千五郎さんがやって来ます。大御所の登場で場が締まるというか、所作の一つ一つが丁寧だった。
千五郎さんの肩衣の柄が、白いお豆腐だったのも乙でした。
もっぴーの奮闘ぶりがとっても良かったです♪



6月に見た「水無月狂言」は笑いの少ない曲でしたが、今日はたくさん笑いがあって楽しい時間が過ごせました。
最初、蒸し暑かったですが、陽が落ちてくると時折、涼やかな空気が漂って来て「夕涼み」出来ました♪
といっても、舞台上の演者の方々は汗だくだくだったでしょうけども。
舞台が終わってからたくさん「てぬぐい」も売れていました。
きっと、完売御礼が出る日も近いんじゃないでしょうか☆彡






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最終更新日  2012/08/12 01:27:57 AM
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