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2012/11/19
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カテゴリ:映画感想

『悪の経典』

       

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  • <スタッフ・キャスト>
    監督 三池崇史  原作 貴志祐介  音楽 遠藤浩二   脚本 三池崇史
    伊藤英明(蓮実聖司) 二階堂ふみ(片桐怜花) 染谷将太(早水圭介)林遣都(前島雅彦)
    浅香航大(夏越雄一郎) 水野絵梨奈(安原美彌) 山田孝之(柴原徹朗) 平岳大(久米剛毅)
    吹越満(釣井正信) KENTA(蓼沼将大) 宮里駿(伊佐田直樹) 横山涼(塩見大輔)
    堀越光貴(坪内匠) 竹内寿(鈴木章) 米本来輝(中村尚志) 岸田タツヤ(山口卓馬)
    荒井敦史(加藤拓人) 西井幸人(鈴木翔) 藤原薫(田尻幸夫) 永瀬匡(鳴瀬修平)
    尾関陸(渡会健吾) 小島藤子(阿部美咲) 岸井ゆきの(星田亜衣) 菅野莉央(高橋柚香)
    山谷花純(三田彩音) 山本愛莉(久保田菜々) 夏居瑠奈(小野寺楓子)綾乃美花(佐藤真優)
    伊藤沙莉(永井あゆみ) 三浦透子(横田沙織) 松岡茉優(白井さとみ) 藤本七海(林美穂)
    宇治清高(松井翼)


    <あらすじ>
    ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)。
    生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。
    学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。
    しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう。
    それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことだった。


    エックセレント!
    海猿のヒーローから邪悪なサイコパスに。伊藤英明の新境地をみた。
    あれほど、無感情な顔つきで散弾銃をガンガン撃てるなんざ、伊藤英明自身に問題があるのではないか?と思うくらい。(「どうぶつの森」を明るいバージョンと暗いバージョン、ふたつやってるらしいですからね)
    いや、凄い役者になったもんだ。

    (以下、ネタバレてんこ盛りなので、読みたくない人はスルーしちゃってください)




    アレンジされた「マック・ザ・ナイフ」(三文オペラの一曲)のメロディーに呼応するように自分の生徒を次々と殺していくハスミン。
    常に自分の快適さを求めているから、ちょっと邪魔なヤツは直ぐに殺す。それも、絶対証拠は残さない。

    冒頭は中二病のハスミン(全裸)が両親を殺すシーンから始まる。それまでに、担任教師も死に追いやっていて、証拠はないが、14歳の我が子の罪に気付いた両親がハスミンを世の中から隔離しなければ、と相談している所にナイフを持った中二全裸ハスミン登場。
    まるでホラー映画のような始まりだった。

    その人が高校の英語教師なんだから、怖いねぇ。それも教師からも生徒からも絶大な人気で好かれているんだから。

    ハスミンの住んでいる荒れ屋にいつも二羽のカラスがやって来ます。(鞍馬天狗や道尊の式神を彷彿)
    北欧神話に登場する神オーディンに付き添う一対のワタリガラス、フギン「思考」・ムニン「記憶」とハスミンは捉えている。
    オーディンは戦争と死の神。さすれば、ハスミンはオーディンの設定か。オーディンは戦場では青いマントを身にまとっていたんだが、ハスミンが着ている服はいつも青色だった。
    でも、ハスミンは仕掛けた罠でフギン「思考」を殺してしまう。残るはムニン「記憶」。
    ハスミンに思考は必要ないって事か。ムニンは警戒して絶対に罠にはかからない。
    もうね、劇中のあちこちに布石がちりばめられていて、残虐だけど知的なんです。
    最後に二人だけ生き残るんだけど、黒い布をまとっていて、二羽のカラスに見えたりするんだよね。これが。

    誘惑に負けそうになったけど、原作は読まないで観ました。文庫本上下巻ともブッちょいですよね。
    2時間ちょっとの映画じゃ全部収まらいのはわかっていたからね。

    ハスミンは家に帰るといつも全裸。鎧を脱ぎ捨てるかのように、常に。(海猿で鍛えた体を惜しみなく披露しちょる)
    感情がないから、服なんて必要ないのかな。何にも気持ちが動かない。というか気持ち自体がない。ただ、自分がそこにいるだけ。それだけ。
    だから家もボロ屋だし、乗っている車はポンコツそうな軽トラ。
    なんか、哲学的な世界に踏み入れてしまったかしら。説明が付かないなぁ。

    生徒を殺す時も銃声で耳が痛いとか、返り血を浴びるのが嫌だからレインコート着るとか、自分の事しか考えてないんだよね~。
    まだ虫の息が残っている子も容赦なく殺す。サイコキラーではなく、あくまでもサイコパスなのよ。
    殺人に快楽を求めてはいない。ただ、自分が快適に生きる上で邪魔なヤツを抹殺する。それに尽きるのです。

    「のぼうの城」の秀吉軍の大谷刑部(山田孝之さん)殿がセクハラ体育教師で出演。
    ヤバいね~。女生徒の弱みを握って体を要求~。平然と学校内で凶行。
    徹底してヤナ教師ぶりを演じていたが、素晴らしいドラムテクニックが観れるのも必見。
    彼もまた、ハスミンに無残に銃殺されますがね。ラストシーンはパンティー・ナイスキャッチ苦笑オチなのが御愛嬌です。

    そしてもう一人、長束大蔵大輔正家殿(平岳大さん)。ホモセクシャル。わーーー。なんなんだその設定~。
    湖国の新星・林遣都くん演じる前島雅彦と只ならぬ仲に!
    凄いよ彼も。資産家の御曹司が高校の美術教師。趣味がクレー射撃。金持ちの趣味だね。
    その姿のカッコいいこと!やっぱり、サラブレッドだよねぇ。
    それでいて、繊細なんだよ。BL演じるんだもんね。前島くんを限りなく愛して、死す。
    乗っている車も住んでいる家もゴージャスそのもの。ハスミンに生徒との禁断の愛の秘密を握られて逆らえなくなる。
    車も家もハスミンに都合よく使われちゃうんだよね~。
    そして、そんなホモ教師とLOVELOVEになる前島くんを演じる林遣都くんの悶えシーンが素晴らしい~。
    裸で一人悶え演技。なかなか出来ないよ、これ。最期はハスミンに弱弱しくも立ち向かうが、The end.

    生徒一人ひとりの死に方が違うっていうから、本当に細部まで練られた作品なんですね。
    ハスミンの正体を疑って殺されていく人。人。人。
    笑顔で油断させて、残忍に殺す。
    生徒を脅して情報を聞き出し、命は助けてくれるのかと、期待して見たが、結局はハンダゴテで体中穴だらけにして殺していた。
    期待した方がバカだった。

    (まぁ、A〇Bのお嬢さんが「この映画嫌い」と言い残し、仕事放棄してしまう気持ちもわからんではないが、これは映画なんだから仕事はしましょうね。)

    最後もとっても意味深。精神異常者を装っているのはわかる。
    「ごめん」「本当にすまなかった」「でも、俺じゃないんだ。俺の仲の別人がやったんだ。」
    ラストは「to be continue」で終わってるのにびっくりした。続きがあるのね。
    ハスミンが生きてる限り続きそう。

    映画の前進「悪の経典~序章~」というのがあるんです。
    ハスミンがアメリカで過ごした時代とか、描かれてるらしい。


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    • まるで、萬斎さんの「まちがいの狂言」ポスターじゃないですか?
      表がござれば、裏がござる。
      レンタルDVDで出てるようなので、もう少しほとぼりが醒めてから借りてみよう。






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    最終更新日  2012/11/19 11:53:32 PM
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