ついに二桁鑑賞~「のぼうの城」
ここに来て、急に各劇場の上映回数が激減してきて、地元の映画館は来週になると1日1回だけになってしまいます。それも、16時台とか私には絶対見れない時間帯という殺生な事態になりました。ので、木曜日と金曜日に立て続けに鑑賞して来ました。前売券を使わない内に終わってしまうのだけは避けたいのでね。これで、計11回の鑑賞となります。いや~、予想していたとはいえ、結構、見ましたな。陰陽師2の時は13回でしたから、それにはちと及ばないと思いますが。少しは興行収入に貢献出来たかな~。今回は刀の位置について、注目して見てみました。◆小田原から北条家の使者が援軍要請に来た場面小田原の使者、忍城の面々とも刀を腰から抜いて、自分の右側に置いていた。成田家は北条家の庇護のもとにあったので、戦意はないし、お互い帯刀する必要がない。ってことですね。◆長束正家が軍使として来た場面長束側、腰に帯刀。忍城面々、腰に差さず右側に置く。いかに、長束側の立場が上かわかりますね。長束は床几に座っていたし。忍城側が刀を体の右に置くということは、戦意はないという表われですね。この後、のぼう様の「戦う」宣言にみんなが賛同して再度、長束の前に集まった時は右から左に刀を置き換えて、「いつでも抜けるぞ!」と意思表示しましたね。あそこの場面は気持ち良かった♪◆ラストの開城会談の場面三成側、忍城側とも、腰に帯刀。開城条件成立し、三成たちが立ち去る時、忍城側は体の右側に刀を置いていた。小田原の本城が落ち、忍城開城命令が出たにも関わらず、忍城側がまだ腰に刀を差したまま、秀吉の使者を迎えるというシチュエーション。興味深いですねぇ。条件聞くまでは置けません的な? 私が感じた解釈なので間違ってるかもしれないですけど、長束の理不尽な条件に対して、のぼう様がまた「戦する」と言った時に「すぐ抜ける」という効果あったなぁ~と。そして、条件が整った時は戦意なしの表示をしっかりしているという細かさがあった。とまぁ、刀の扱い一つとっても見どころMANSAIな時代劇ですね。忍城城主:成田氏長が丹波・和泉・靭負を忍城に置いて小田原に立つ時、3人+のぼう様が親方様に詰め寄るシーン。和泉も丹波も城主に対して、礼儀もへったくれもない物言いをしている所が面白いよね。和田さんの小説には、「戦国の男たちは主が気に入らないければ喧嘩を売って一戦を交えたり、所領を去ったりする、独立した気分を持っていた」とあるので丹波も和泉もあれほどの武功の腕前を持っているのだから納得だな~と思ったり。このシーンで一番腹を立てているのは和泉で、氏長が関白の軍勢を殺すなとか、籠城の備えだけはしておけという所は、後ろに下がって終始不服そうな顔をしている。それが、籠城準備時の靭負と和泉の対決に繋がっていくんですよね。戦況を本丸で報告を受けているのぼう様。生きた心地がしていない様子が見て取れます。原作では和議の使者としてやって来た長束正家が和議破れ、三成の元に帰った後、のぼう様は腰が立たなくなって丹波と和泉に抱えられて部屋を出るのだけど、そのシーンをカットせずに見せてくれたら、より一層、あの生きた心地していない様子が活きたんじゃないだろうかと、映画を見るたびに思います。あと1枚前売券が残っています。ちょっと遠くの映画館はレイトショーがあるので、来週もう1回だけ見て来よう。そうそう、洋泉社ムックから「忍城合戦の真実」という本が出ています。和田竜さんのインタビューや高源寺(正木丹波が開いた寺)住職のインタビューが載っていますよ。 忍城合戦の真実価格:1,260円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る