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カテゴリ:不動産屋話
フリーページに書こうかと思っていて結局ずっと手をつけてなかったのですが、ありがたいことにご要望頂いたので、ボチボチと日記にしてから、フリーページにまとめて行こうかと思います。
今回は新築分譲マンション販売だったころの裏話。 マンションはたいがい縦列(101号室・201号室・・)は同じ間取りの同じタイプのお部屋になっていますが、基本的に上階に行くほど価格は上がります。 でも根強い人気なのは、1階か最上階です。 優良物件は住宅金融公庫からの借り入れが出来るため、更に人気があります。公庫の利用できる物件は、同じ部屋に複数の申し込みが入った場合は抽選になって入居者が決まります。 しかしながら、売る側としては、101号室に申し込みが何人かいて2階、3階は申し込みがないというより、戸数を売りたいわけです。 ただし、上に行くほど価格が上がるので、本当に1階しか予算的に追いつかない(借り入れも限度となってしまう等)方に買ってもらい、予算を伸ばせる方には、どうにかこうにか営業トークで空いている2階、3階をおすすめします。 しかーーーし!ここで問題です。 どーしても1階しか買えない方がいるのに、予算的に上階を買える方も申し込み、例えば101号室に3人の申し込みが重なって入ってしまった場合、戸数を売りたい不動産屋としてはどうしていたでしょうか・・・・? ヒントとしては、結局お客様を騙すということとなります。 答え:私の勤めていたゼネコンでは、こういった場合、よく利用していたのが、『住宅金融公庫の債権』である、『つみたてくん』というものです(お調べいただくとわかるかと・・・)。 この債権は将来、優良物件で公庫を利用できる物件を購入することを目的に、まあまあの金利で積立て、満期になり、物件を決めると購入の際にメリットが出ます(簡略ですが)。 そのメリットの一つに、『抽選の際の倍率優遇』というのがあります。 通常の人は抽選で一人一倍の確率を持っています。つまり、ガラガラ回す抽選機にその人の玉は1つ入ります。しかし、『積み立て君』の倍率優遇者は、一人でも『20倍』=『20個の玉』を入れれるわけです。 そこで、申し込み受付期間最後に「20倍を持った人が101号室に申し込んだ」と見せかけるために適当な名前の申込書を用意し(架空人物ですね)、101号室は4人申し込みで、倍率は『23倍』と公表します。そして抽選日にも実際、23個の玉を入れ、お客様に公開抽選で抽選機を回します。 するとたいがい架空人物が当選します。 そして、落選しガッカリする本物の申込者に後日電話をするわけです。 そこで一番優先されるのは、1階しか買えないお客様。 「当選された方がキャンセルされまして・・・」と。 残りの二人には再度ガッガリしているところで営業するわけです。「2階や3階はいかがですか?」と。 これで不動産屋は、「しめしめ。1階~3階までをうまく売ったぜ~!」、ってことになります。 ★★★ あーー。今思うと何ということだ~!でも、大型優良物件で公庫を使えるものについては、どうやらかなりの不動産屋がこのやり方をしていたようです。 『積み立て君』の倍率優遇制度は無くなったらしい(現状は退いている私にはさだかでないんですが)のですが・・・。 異常な倍率になっているお部屋にはご注意を!! でもこの話はたまに雑誌にも掲載されていたけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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