ロッシーニ作品はアリアで勝負!
鑑賞日:2006年10月22日(日) 15:00開演入場料:E席3,000 5階席(R1列17番)主催:(財)日本オペラ振興会藤原歌劇団公演ロッシーニ作曲「ランスへの旅」オペラ1幕会場:東京文化会館大ホール指 揮:アルベルト・ゼッダ管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団フォルテピアノ:小谷彩子公演監督:岡山廣幸演出美術:エミリオ・サージ衣 装:ペーパ・オハングレン 照 明:石川紀子 振 付:麻咲梨乃 出 演コリンナ: 高橋 薫子メリベーア: 森山 京子フォルヴィル伯爵夫人: 佐藤 美枝子コルテーゼ夫人: 小濱 妙美騎士ベルフィオール: 小山 陽二郎リーベンス伯爵: マキシム・ミロノフシドニー卿: 彭 康亮ドン・プロフォンド: 久保田 真澄トロボノク男爵: 折江 忠道ドン・アルバロ: 牧野 正人ドン・プルデンツィオ: 柿沼 伸美ドン・ルイジーノ: 川久保 博史デリア: 小林 厚子マッダレーナ: 河野 めぐみモデスティーナ: 向野 由美子ゼフィリーノ: 石川 誠二アントーニオ: 立花 敏弘ジェルソミーノ: 納谷 善郎感想初めての藤原歌劇団公演として、ロッシーニ作品とのことで5階天井桟敷で鑑賞。これまで聞いたことの無い作品だが、当時上演後に楽譜が失われ幻の作品となったものを資料を集め1984年ロッシーニ・フェスティヴァルで上演されたものとのこと。物語はフランス新国王シャルル10世のランス大聖堂での戴冠式に列席するため、フランス保養地の温泉ホテルに集まったヨーロッパ各国の紳士淑女の繰り広げる恋愛模様。と言っても深い内容は全くなく、とにかくロッシーニの美しいメロディにのせ如何にコロラトゥーラだらけのアリアや重唱を旨く歌えるかを聞くもの。一幕もので舞台もホテルの木製バルコニーのみで幕引きも無し。まずはオーケストラが素晴らしい。これぞイタリアオペラとの印象で指揮者の功績か。聞き所は中盤の14人によるアカペラの重唱で、これはオーケストラにも負けない音量で大変素晴らしい。その他、フィナーレの各国の歌の披露も楽しめた。出演者の中ではコリンナ(即興詩人)役、ソプラノ高橋薫子が断トツに良かった。ハープのみの伴奏によるアリアは最高音まで澄んだビブラートの無い声質で、音量も抜群。フィナーレの新国王に因んだ即興詩のアリアは、舞台から降りハープの側での独唱で、5階席でも鼓膜が振るえる歌唱だった。その他、騎士ベルフィオール役、テノール小山 陽二郎も良く通る声で、同じテノールのマキシム・ミロノフよりも良かった。観客は5階席まで9割以上の満席状態。あまり有名でない作品でも満席とは、さすがは藤原歌劇団。来年1月の「ラ・ボエーム」も楽しみだ。End