石田”オレ様”のバイオリンは完璧で表現豊か!
鑑賞日:2008年3月18日(火)19:00開演入場料:¥4,000 1列目主催:Musician's Party石田泰尚ヴァイオリンリサイタルSpecial Selection ~小品集~会場:みなとみらいホール・小ホールピアノ伴奏:中岡太志■曲目<前半>・ベートーヴェン/ロマンス第2番・クライスラー/ベートーヴェンの主題によるロンディーノ・クライスラー/ルイ13世の歌とパヴァーヌ・クライスラー/プレリュードとアレグロ・J.ウィリアムズ/「シンドラーのリスト」のテーマ・ブロッホ/バールシェム組曲<後半>・シャミナード/スペインのセレナーデ・グラナドス/スペイン舞曲・ファリャ/スペイン舞曲・ピアソラ/来たるべきもの・ピアソラ/忘却・ピアソラ/ル・グラン・タンゴ・ビジョルド/エル・チョクロ・ガーデ/ジェラシー<アンコール>・ラベル/亡き王女のためのパヴァーヌ・ガシューイン/3つのプレリュードから1曲目・サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン・プッチーニ/(オペラ「トゥーランドット」から)誰も寝てはならぬ感想本日は山の神のご指令で神奈フィルのコンサートマスターでもある石田泰尚のヴァイオリンリサイタルに出かけた。平日のコンサートは仕事との調整が難しく、結局30分遅れで会場へ。どうにか前半4曲目当たりから最後部自由席へ案内してもらい、聴くことが出来た。石田”オレ様”は、95年国立音大首席卒業で、翌年新星日響サブコンマス、2001年から神奈フィル・ソロコンマスと正しく天才。茶色(金髪?)で立った髪、ピアスにネックレス、演奏時は上体を大きく動かすとその容姿が目立つ。観客も20~30代の女性が多く、クラシック界では正しく異色。寡黙でも有名で、最初とアンコールで曲目をマイクで紹介した以外は全く喋らずにどんどん曲を弾いて進めていく。前半は比較的テンポがゆっくり目で情緒的な曲が集められ、美しい音色が聞こえてくる。ただ軽やかに奏でているだけではなく、テーマを弾き分けて、テンポ、強弱で表現を鮮明に出しており流石。後半から1列目の指定席へ座ったが、このホールは舞台の高さが50cm程度しかなく、本当に目の前で弾いている印象。曲は舞曲、タンゴのテンポが早めの曲が集められ、その息使い、指使い、弓使い、そして飛び跳ね!、ステップ等の動作に目が釘付け。演奏している二人の緊張感がそのまま伝わってくる。アンコールはラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」から始まり、ガシューインのジャズ調の曲、早弾き難曲「ツィゴイネルワイゼン」、そして最後はオペラから「誰も寝てはならぬ」と『色々弾けるんだぞ』と多種多彩な曲を演奏。どの曲を聴いても細かい音まで完璧に演奏され、更にメロディーに合わせてテンポや強弱の揺れが入り、正しくヴァイオリンが歌っている印象。その表現の豊かさに酔いしれることが出来た。コンサート後はCDのサイン販売があり、山の神は握手までしてもらい大満足の様子。日本にも優れた若手演奏家がいることをあらためて認識出来た。End