サイトウキネン「利口な女狐」は演出・衣装が素晴らしい!
鑑賞日:2008年8月28日(木)18:30開演入場料:¥10,000 C席4階(4L 12番)主催:サイトウ・キネン・フェスティバル松本実行委員会 サイトウ・キネン財団2008サイトウ・キネン・フェスティバル松本ヤナーチェク作曲オペラ「利口な女狐の物語」フィレンツェ歌劇場との共同制作・新演出 (チェコ語上演・字幕付)会場:まつもと市民芸術館 主ホール指 揮 : 小澤 征爾演出/衣裳: ロラン・ペリー装 置 : バーバラ・デリンバーグ照 明 : ペーター・ヴァン・プラット振 付 : リオネル・オッシュ 合 唱 : 東京オペラシンガーズ児童合唱 : SKF松本児童合唱団管弦楽 : サイトウ・キネン・オーケストラ出演女狐ビストロウシカ : イザベル・ベイラクダリアン森番 : クィン・ケルシー森番の妻/ふくろう : ジュディス・クリスティン校長/蚊 : デニス・ピーターソン神父/あなぐま : ケヴィン・ランガン行商人ハラシタ : デール・トラヴィス雄狐 : ローレン・カーナウ宿屋の主人 : 松原 友宿屋の女房 : 増田 弥生犬ラパーク : マリー・レノーマン雄鶏/カケス : 黒木 真弓きつつき : 牧野 真由美感想一度は行って観たかったサイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)。奇跡的にチケットを入手し、会社の長期休暇に合わせて、松本へ出かけた。劇場は駅から徒歩10分で数年前に出来た新しいホール。開場は17:30となっていたが、実際に客席へ入れるのは18:00だったので、それまではロビーで記念グッズを眺めることとなり、お土産用にTシャツを買ってしまった。無料のワインを一杯飲んで気持良く客席へ。ホールは馬蹄形ホールで赤を基調にして華やかな印象。座席も余裕があり座り心地も良い。座席は空き席がほとんど無い満席状態。拍手とともに小澤征爾登場。本日も指揮譜面台には楽譜はなく、ハンカチのみ。本日のオペラ「利口な女狐の物語」は、森を舞台に、色々な生き物達と人間との関わりを表すが、先ずは動物や昆虫の衣装、メーキャップと振り付けが素晴らしく、本物のように思わせる。幕内の場面は音楽と同じに、途切れることなく、森や崖の装置が左右や後ろから動いて表れ、その間に昆虫たちの踊りが入り、連続性が保たれていた。フィレンツェ歌劇場との共同制作だけのことはある。歌手もアリアがある訳ではないが、それぞれの役に適した声質と声量だった。さすがです。特に動物役の演技が素晴らしい。東京オペラシンガーズの雌鳥と裏歌は良かったです。子供達の歌声や演技もプロ級でした。残念だったのは管弦楽。弦と管がバラバラの印象。特に前半。後半は少し良くなって来たのですが。また木管、金管のソロが奏できれておらず、どこかぎこちない。ヤナーチェクの民族音楽的な美しい旋律がとぎれとぎれになってしまう。メンバー表を観ると発足当初の大御所達はほとんどおらず、若手が多いためでしょうか。長年続けてきて、教育的、継続的な意味合いもあるのでしょうが。指揮台、カーテンコール時の小澤征爾は豊富な白髪をなびかせ元気そうでした。蕎麦や馬刺しを食べ温泉に浸かってのオペラ鑑賞は心も落ち着いて楽しめました。翌日は前日からの局地的豪雨で中央線がストップ。長野経由の新幹線で帰ることに。また行ってみたいが、何時の事やら。End