ヴェルディ「リゴレット」は主役3人の出来で決まる
鑑賞日:2008年10月25日(土)14:00開演入場料:¥3,150 D席4階(2列55番)主催:新国立劇場新国立劇場公演G.ヴェルディ作曲歌劇「リゴレット」(全3幕 イタリア語上演/字幕付)会場:新国立劇場・オペラパレス指 揮: ダニエレ・カッレガーリ演 出: アルベルト・ファッシーニ美術・衣装:アレッサンドロ・チャンマルーギ照 明: 磯野 睦芸術監督: 若杉 弘合 唱: 新国立劇場合唱団管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団出演リゴレット: ラード・アタネッリジルダ: アニック・マッシスマントヴァ公爵:シャルヴァ・ムケリアスパラフチーレ:長谷川顯マッダレーナ: 森山京子モンテローネ伯爵:小林由樹ジョヴァンナ: 山下牧子マルッロ: 米谷毅彦ボルサ: 加茂下稔チェプラーノ伯爵:大澤健チェプラーノ伯爵夫人:木下周子小 姓: 鈴木愛美牢 番: 三戸大久感想新国立劇場2008-2009シーズン公演で開幕の「トゥーランドット」はパスしたため今回の「リゴレット」が初鑑賞となった。2000年新国立初演で今回3回目の演出。演出家のアルベルト・ファッシーニは2005年に亡くなっている。舞台装置、衣装ともオーソドックスであり結構手が込んでいる。1幕1場と2場の間も幕を閉めて時間を取って、舞台の入れ替えを行っていた。1幕2場のリゴレット家の場面では回り舞台を上手く使い、部屋の中と門の外を見せ、2幕の公爵の館では壁一面にルノアール調の裸婦の絵画が飾られ豪華さと公爵の性格を表現していた。3幕の殺し屋の家では床を高くし河畔の居酒屋を表し、嵐の場面では草が揺れざわつく演出で良く出来ている。管弦楽はトラブル無くヴェルディの音楽を表現できていたと思う。2幕最後など歌手とのズレを感じた部分のあったが、初日とのこともあり、後の公演ほど良くなって行くでしょう。歌手は主役3人がいずれも素晴らしい出来。タイトルロールのリゴレット役ラード・アタネッリは終始安定した声で抜群の存在感があり。演技の方は昨年藤原で観たアルベルト・ガザーレの方が表現力があったが、歌声が良ければ問題ない。ジルダ役アニック・マッシスは1幕アリア「慕わしい人の名は」でもPの歌声にも関わらず高音部は4階席でも鼓膜が震えるリリック・コロラトゥーラの歌声で日本人には真似が出来ない。マントヴァ公爵役シャルヴァ・ムケリアも最初は歌声が小さめで?と思ったが、幕が進につれ良くなって行き、2幕アリア「ほおに涙が」、3幕「女心の歌」は裏歌含め良く通る高音で良かった。ぜひアンコールを聞きたかったが。これにマッダレーナ役の森山京子が加わった3幕の4重唱はそれぞれの歌声の個性が重なり素晴らしい重唱となった。久々に主役の歌声が揃ったオペラを観ることが出来た印象。新国立劇場公演もこのまま代役無しで続いてくれれば良いのだが・・・。End