エディプス王は男声合唱と語りが良い
鑑賞日:2008年12月7日(日)15:00開演入場料:¥3,460 D席3階(L5列17番)主催:(財)NHK交響楽団NHK交響楽団・第1634回定期公演 Aプログラムストラヴィンスキー作曲バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」オペラ・オラトリオ「エディプス王」会場:NHKホール指揮:シャルル・デュトワ合唱:東京混声合唱団出演:エディプス王 : ポール・グローヴズヨカスタ : ペトラ・ラングクレオン/伝令: ロベルト・ギェルラフティレシアス : デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン羊飼い : 大槻 孝志語 り : 平 幹二朗感想:ストラヴィンスキーのオペラとの珍しい公演であり、久々にN響の音も聞きたいと思い渋谷のNHKホールへ出かけた。開演前のロビーではヴァイオリンとビオラの室内楽演奏あり。最近はどこのオケでも恒例だが、気分を日常からコンサートへ切り替えるにはあって良いかと思う。お客の入りは2階席奥当たりは空席だらけだが1階席はほとんど埋まっており6~7割程度。マイナーな曲の割には指揮が1年ぶりのシャルル・デュトワとの影響もあり入っている方か。今回の演目はストラヴィンスキーの3大バレエ作曲後の新古典主義時代に作られた作品。1曲目のバレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」は弦楽合奏であり、N響の揃った弦の響きが聞けたが、当方に取っては少々退屈。お目当ての2曲目オペラ・オラトリオ「エディプス王」は、ギリシャ悲劇を元にしたジャン・コクトーの台本により作曲されたもの。歌詞はラテン語で語り部分は上演国の言葉に翻訳することを前提にしており、語りが次の音楽場面を説明した後に演奏となるため字幕にかじり付かなくても判るようになっている。なんと言っても男声合唱が迫力、凄みがあり素晴らしい。総勢80名だが東混にはそんなに在籍していないと思われるので、芸大生などが入っているのでしょう。オケも迫力があり、管で若干乱れた所もあったが、それなりに揃っており良かった。最後は緊張感あるPで終わり、残酷なギリシャ悲劇を締めくくった。歌手ではエディプス王役のポール・グローヴズが高音が続く中、最後まで声が届いていた。他の歌手は音量不足を感じたが、響かず、大き過ぎるNHKホールではいかし方ないか。一番拍手が多かったのは語りの平幹二朗であり、物語に観客を引きつける語り口はさすがでした。End