映画「オーケストラ」はラストのチャイコンが圧巻
鑑賞日:2010年4月25日(日)13:45~会 場:川崎 チネタッチ入場料:¥1,000映画:「オーケストラ!」原題 Le Concert製作:2009年 フランス 監督:ラデュ・ミヘイレアニュ 出演:アレクセイ・グシュコブ、 メラニー・ロラン、 フランソワ・ベルレアン、 ドミトリー・ナザロフ、 ミュウ=ミュウ ほか ミニシアター、マイナー映画TV紹介番組の予告編で興味を持ち、打切りにならない内にと上演劇場から一番近くの川崎へ出かけた。 向かったのは川崎駅東側、イタリアのヒルタウンをモチーフに映画館とライブホールを中心にショップ&レストラン等を集めた商業施設「ラ・チッタデッラ」の中にある映画館「チネタッチ」だが、すごい人混みと凝った建物の造りで、映画館入り口を見つけるのにひと苦労。劇場内に入るとコマーシャルフィルムは既にスタート、場内は予想に反し満席状態。 冒頭は、ロシア・ボリショイ交響楽団のリハーサルをこっそり聞いて心の中で指揮をしている元有名指揮者の主人公の携帯電話が鳴って現実に戻る。その罰でマネージャ室を念入りに掃除させられるとパリ・シャトレ座より一通のFAXが入る。ロサンゼルス・オケの急なキャンセルで2週間後の出演依頼。30年前の仲間達55人を集めて、どうにかパリへ出発するのだが・・・。これ以上はネタバレなので省略。 途中の過程はあり得ない話ばかりなのだが、なんとなく本当に思わせてしまうのはやはり映画。特に30年振りの演奏でリハーサルも無しでぶっつけ本番に挑むなんて。 2時間のストーリーは全て終盤の12分に及ぶチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲1番」の演奏場面に繋がり、そこで指揮者の本当の目的、過去の真実、そしてその後の話が映像のみで表現される。ここで初めてのオーケストラ演奏になるのも上手い持って行き方だ。 もともとは、2001年にあったニセのボリショイ交響楽団が香港公演するという実話を元にしているらしい。そこへユダヤ系ルーマニア出身で自身も1980年に家族でイスラエルに亡命した監督ラデュ・ミへイレアニュがソ連共産党時代の話を付け加えたもの。 ハリウッド映画と異なりヒーローはおらず、主人公含め登場人物全てが欠点、心の傷を持っている所もいかにもフランス映画らしい。 映画を見終わっても頭の中ではチャイコンがずっと鳴っており、神尾真由子で実奏が聞きたくなった。End