「キャンディード」はやはりミュージカルだった
鑑賞日:2010年8月7日(土)14:00開演入場料:¥7,000 C席3階主催:兵庫県/兵庫県立芸術文化センター(制作)佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2010レナード・バーンスタイン作曲オペラ「キャンディード」(全2幕 英語上演/日本語字幕付) 会場:Bunkamuraオーチャードホール指 揮:佐渡 裕演 出:ロバート・カーセン合 唱:ひょうごプロデュースオペラ合唱団管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団出演)ヴォルテール/パングロス博士:アレックス・ジェニングズキャンディード:ジェレミー・フィンチクネゴンデ:マーニー・ブレッケンリッジオールド・レディ:ビヴァリー・クライン大審問官 ほか:ボナヴェントゥラ・ボットーネパケット:ジェニ・バーンマクシミリアン:デヴィッド・アダム・ムーアカカンボ:ファーリン・ブラス感想: ベルリン・フィルの指揮も決まった佐渡裕がプロデュースのオペラ?とのことで盆休み初日、当方方本番間近の合唱練習スケジュールの合間に、真夏日の中、渋谷のオーチャードホールまで出かけた。 長い階段を登っていつもの3階席座席に座ると舞台上には回転式チャンネルの古いTV画面が舞台いっぱいに設置されている。軽快な序曲に合わせて、そのTV画面上に登場人物、スタッフのテロップが写される。TV画面の幕が開くと、ヴォルテール役アレックス・ジェニングズが物語の背景を説明し、そのまま早変わりでパングロス博士になり、キャンディード他4人の生徒へ「最善説」の講義を始める。 この後、戦争、大地震、新世界、黄金郷と波瀾万丈の物語の中、絞首刑、銃殺を受けるも5人は何度も復活、再会し、最後は畑を耕すと大合唱で幕。 はちゃめちゃな物語をそれなりに見られたのはロバート・カーセンの演出の力でしょう。初演50年記念で2006年パリ・シャトレ座を始め、ミラノ・スカラ座、ロンドン・ナショナルオペラでの公演をそのまま持って来たもので、舞台装置、ダンス、ビデオ映像など、すき無く計算されおり、良く出来ている。 一応オペラとなっているが、出演者は全員マイクを付けており、その点ではミュージカル。オーチャードホールは全くのデッドであり、また出演者は、オペラ、ミュージカル、演劇出身と色々であるため声量のバランスを取る意味からもPAを使うのは正解でしょう。 オケ、合唱は、大きな問題なく、軽快なテンポを崩さず演奏されていた。ロバート・カーセン演出の「キャンディード」を日本で観られたことがバーンスタインの弟子である佐渡裕の功績と言える公演だった。End