錦織健「セビリアの理髪師」は役者揃いで楽しい
鑑賞日:2012年4月7日(土)14:00開演入場料:\9,000 B席(4階R3列)【主催】中部日本放送/名古屋市第35回名古屋国際音楽祭錦織健プロデュース・オペラVol.5ロッシーニ作曲歌劇「セビリアの理髪師」(イタリア語/字幕付)会場:愛知県芸術劇場大ホール音楽監督/指揮:現田茂夫演 出:十川 稔管弦楽:ロイヤルメトロポリタン管弦楽団合 唱:ラガッツィチェンバロ:服部容子出 演:ロジーナ:森 麻季フィガロ:堀内康雄アルマヴィーヴァ伯爵:錦織 健バルトロ:志村文彦ドン・バジリオ:池田直樹ベルタ :武部 薫フィオレッロ:金子 宏隊 長 :妹尾寿佳感 想: テノール歌手錦織健が自らプロデュースするオペラ公演の第5弾。首都圏だけでなく地方含めた11カ所12公演となっており本日の名古屋公演が千秋楽。ようやく桜が咲き始めた春模様の中、栄の愛知県芸術劇場へ出掛けた。 客席は1、2階はほぼ満席、3~5階は約半分で全体としては7割程度の入りで、名古屋地区としては良い方でしょう。 チューニ後客電が消え、スポットと伴に指揮者登場。現田茂夫は相変わらず若々しい。序曲は管弦楽の人数のためか音が薄く感じたが、テンポは良くそれなりに盛り上がった。 幕が開くと、正面に階段、その上に窓、左右は建物の壁になっている。第2場バルトロ家の部屋では、窓が移動し、壁の入口にドアがついて、照明を変えることでそのまま屋内に早変わりし、上手く出来ている。 今回出演者はベテラン揃いで、皆さん演技が上手い。特にフィガロ役堀内康雄は、ヴェルディのシリアスバリトン役が多く、フィガロ役はどうかと思っていたが、重すぎない声で軽快にこなす。「私は町の何でも屋」「金を見れば知恵がわく」も演技含め素晴らし。ロジーナ役森麻季と伯爵役錦織健は、声量は大きく無いものの、高音が良く通り十分に聞こえる。バルトロ役志村文彦、バジリオ役池田直樹も歌声含めた演技が上手く、重唱もバランス良く盛り上がった。 このようなハイレベルのオペラを日本全国で公演するのは、この錦織健プロデュースしかなく、今後もぜひ続けて欲しい。 End