愛知芸大「ヘンゼルとグレーテル」はメルヘン一杯
鑑賞日:2012年12月16日(日)14:00開演入場料:¥2,000 (1階13列)【主催】愛知県立芸術大学愛知県立芸術大学オペラ公演エンゲルベルト・フンパーディンク歌劇「ヘンゼルとグレーテル」(全3幕/日本語公演)会場:刈谷市総合文化センター大ホール指 揮:佐藤正浩演 出:飯塚励生管弦楽:愛知県立芸術大学管弦楽団コンサートマスター:福本泰之合 唱:愛知県立芸術大学合唱団出演:ヘンゼル1,2幕:紙野沙希子(大学院2年)ヘンゼル3幕:石原夕香子(大学院2年)グレーテル1,2幕:中川麻梨子(大学院1年)グレーテル3幕:奥村育子(大学院1年)父(ペーター):植嶋邦臣(大学院1年)母(ゲルトルート):安田裕美(大学院2年)眠りの精:藤瀬愛(大学院1年)露の精:正木実季(大学院2年)魔女:大久保亮(大学院3年)感想: 愛知県で一番レベルの高い音大である愛知県立芸術大学のオペラ公演。クリスマスシーズンに合わせた「ヘンゼルとグレーテル」の公演があるとのことで名古屋から電車で20分弱の刈谷市の総合文化センターまで出掛けた。 指揮者登場で序曲スタート。ホルンが少々危なっかしい所あったが、その他安定しておりまとまった演奏。 幕が開くと、ヘンゼルたちの家の中と背景に森を表現。今回愛知芸大の陶磁専攻が演出協力とのことで、樹の幹や葉が立体造形で風に揺れ、2幕の妖精の岩や、3幕のお菓子の家なども立体造形でよく出来ており、童話のメルヘンの世界そのままでになっている。 歌手は学生のため声量にバラツキがあるが、3幕グレーテル役の奥村育子、父役の植嶋邦臣、母役の安田裕美が客席に届く、役に合った歌声で良かった。特に魔女役の大久保亮は、歌声、演技含め客席を楽しませ、素晴らしかった。 但し今回歌も含め全て日本語であり、所々言葉が聞き取れない所があった。これはプロの公演でもよくあることで、出来れば字幕をつけて欲しい所。 オケはオケピットの制限もあり4プルト程度でそれほど多くないが、演奏が進むにつれて金管も安定し、ワーグナー張りの音楽をダイナミックも大きく表現し、安心して聞くことが出来た。指揮者の貢献でしょう。 演出も2幕最後に客席後ろから妖精や動物たちが登場したり、3幕で魔女が箒に乗って飛んだり。また魔女はマイク、音響を使い、エコーを効かせたり、音を左右に動かしたりと工夫されている。 今回ホールは1階席のみの使用で1000席程度の客席は満席。子供も多く心配していたが、演出の効果もあり、最後まで集中して聴けており普段の音楽教育環境の影響なのでしょう。 演出含めなかなかレベルの高い公演であり、次回もぜひ聞いてみたい。End