小牧「奥様女中」はエコオペラだけど音楽は贅沢!
鑑賞日:2014年3月9日(日)14:00開演入場料:¥1,000 全席自由(12列目中央) 【主催】小牧市、小牧市教育委員会クラシック鑑賞講座気軽にクラシック「ようこそ!オペラの世界へ」ベルコレージ作曲 オペラ「奥様女中」(全2部、イタリア語上演/字幕付)会場:小牧市東部市民センター講堂曲目:第1部 ヴィヴァルディ作曲 ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意への試み』 第1集『四季』Op.8より第1番「春」 第2部 ベルコレージ作曲 オペラ「奥様女中」指揮、チェンバロ:宮松重紀コンサート・ミストレス:古井麻美子管弦楽:中部フィルハーモニー交響楽団出 演:セルピーナ:高橋薫子ウベルト :立花敏弘感 想: 高橋薫子さんがお得意の「奥様女中」のオペラを小牧市で聴けるとのことで、花粉が飛び交う中、地元合唱のお仲間の車に同上させて頂き、桃花台にある東部市民センター講堂まで出掛けた。 今回の公演は小牧市教育委員会主催で行われたクラシック鑑賞講座の第3回目に当たり、指揮者の宮松重紀さんの第1回オペラの紹介、第2回オペラ「奥様女中」の紹介講義を経ての、本番公演となっている。 「奥様女中」だけでは40分程度のため、第1部は同じ弦楽構成で演奏可能な同時代の作曲家ヴィヴァルディの有名な「四季」から「春」を演奏。 中部フィルのバイオリン8人、ビオラ3人、チェロ2人、コントラバス1人は全て女性。唯一男性の宮松重紀さんはチェンバロを演奏。 コンミス古井麻美子さんが引っ張って緊張感ある演奏。 演奏後の拍手で全員退場した後に、再び宮松重紀さんがマイクを持って登場し、ピアノを使いながら「奥様女中」作品と今回の演奏について紹介有り。 15分の休憩を挟んで第2部はオペラ「奥様女中」を1,2部連続して演奏。 東部市民センター講堂は600人の客席だが、講演会等行われる一般的な多目的なホールなのでオケピットは無く、舞台上手にベッド、椅子、帽子掛けのみのセットが置かれ歌手が演じ、下手にチェンバロを中心に弦楽が集まり演奏が行われる。 本オペラは歌手は2人で、もう1人ウベルトの下男ヴェスポーネがいるのだが、黙役(歌、台詞無し)のため今回は指揮、チェンバロ演奏の宮松重紀さんが演技の代わりにチェンバロでその感情を上手く表現していた。 また舞台上は反響板を設置したまま、その背面に字幕を映写。 照明も使わず、最小限の小道具だけで、全ては歌手とオケの演奏によってその作品を演奏した訳だが、歌手が上手いと思わずその世界に引き込まれその部屋や人物たちの様子が目に浮かんで来る。高橋薫子さんはお得意の役らしく、何時もの素晴らしい歌声に加え、役に合わせた若々しく演技で、子供の頃からウベルトに育てられて、女中なのに遠慮のない所を上手く演じている。立花敏弘さんの歌声、演技も良かった。 ベルコレージの音楽は繰り返しが多いが、その中で繰り返される歌詞の内容が少しずつ変わって来る所により面白さを感じられた。 中部フィルの弦楽もチェンバロを中心に、バランス、テンポ良く演奏された。 第1部のオペラ紹介で宮松重紀さんご自身で言っておられた通りの「エコオペラ」だったが、音楽は大変豊かで贅沢に感じられた。この演奏を1,000円で聴けるのは小牧市主催ならでは。唯一残念だったのは客席が200人程度と少なかったこと。来年もぜひ呼んで頂き、事前の宣伝をお願いしたい。 End