「カルミナ・ブラーナ」はバレエが入ると何倍にも盛り上がる
鑑賞日:2014年4月20日(日)14:00開演入場料:¥3,780 C席4階1列 【主催】新国立劇場 新国立劇場バレエ団2013/2014シーズン公演ファスター/カルミナ・ブラーナ会場:新国立劇場オペラ劇場「ファスター」作曲:マシュー・ハインドソン芸術監督・振付:デヴィッド・ビントレー衣裳:ベックス・アンドリュース照明:ピーター・マンフォード「カルミナ・ブラーナ」作曲:カール・オルフ芸術監督・振付:デヴィッド・ビントレー装置・衣裳:フィリップ・プロウズ照明:ピーター・マンフォード指 揮:ポール・マーフィー管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団出演:「ファスター」 跳ぶ:本島美和、菅野英男、奥村康祐 投げる:福田圭吾、米沢唯、寺田亜沙子 闘う:奥田花純、タイロン・シングルトン マラソン:竹田仁美 ほか全員「カルミナ・ブラーナ」 運命の女神フォルトゥナ:米沢唯 神学生1:奥村康祐 神学生2:福田圭吾 神学生3:福岡雄大 ローストスワン:本島美和 ソリスト歌手: ソプラノ:安井陽子 テノール:高橋淳 バリトン:萩原潤 合唱:新国立劇場合唱団感 想: 2度ほど歌ったカルミナ・ブラーナのビントレー振付バレエ公演があるとのことで、少々花冷えの中、初台まで出掛けた。 本格的バレエ公演は初めての鑑賞。同じ新国立劇場のオペラ公演と比較し、客席は若い女性が多い印象。 第1部「ファスター」は2012年ロンドン・オリンピックの開催を祝して、オーストラリアのマシュー・ハインドソン作曲にビントレーが振付けた委託作品。 オケピットは指揮者前に蓋が取り払われたピアノ、ドラムセット、パーカーションが多数あり。 音楽は、クラッシックにロック、ジャズ等が混ざった現代音楽で、リズムに合わせて跳ぶ、投げる、闘う、走るのスポーツの動きがバレエで表現される。 ダンサーは舞台上を動き、走り回るが、息を切らせず、振付は完璧で、さすがオーディション合格の若手プロ。 25分の休憩の間に、オケピットの蓋なしピアノは2台、鉄琴、木琴、数々のパーカッション、独唱者、合唱用の椅子まで入れられた。 第2部「カルミナ・ブラーナ」は、元々バレエの舞踊があるものとしてオルフにより作曲されている。 歌詞の内容に合わせた振付、衣装となっており面白い。「春に」では、妊婦たちが登場したり、「草の上」では複数の若い男女カップルに英国旗、「居酒屋にて」の白鳥の丸焼きでは、クロッシュの中から羽を手に持った女性が登場し、その周りを肥満の男たちが取り囲む。「求愛」は下着姿の男女が登場しエロチシズムが満載。終曲前の「讃えよ美しきものよ」で舞台奥で舞台幅の白い布を持ち上げて最後に女性が前方に走り、一瞬舞台上が白い布で覆われ、その布が取り払われると黒ドレスの沢山の女性が登場、冒頭と同じ終曲「おお、運命の女神よ」が流れると舞台背面に光の大輪がせり上がってくる所は、音楽と相まって素晴らしい盛り上がりとなった。 合唱はオケピット内にも関わらず、オケに負けずに聞こえて来てさすが新国立劇場合唱団。児童合唱は入るスペースがないためか、合唱団女性がそれらしく歌っていた。独唱者もよく歌えており、テノール高橋淳の白鳥の焼き鳥はユーモア満載で十八番らしい。 素晴らしい音楽とバレエが融合されると、感動が何倍にもなることを実感。 ビントレー芸術監督は今シーズンで終了とのこと。テレビの中継も入っていたようで、また観てみたい公演だった。End