新国立「ドン・ジョヴァンニ」はオーソドックスな演出と演奏で安心して楽しめる
鑑賞日:2014年10月19日(日)14:00開演入場料:¥3,888 D席4階 【主催】新国立劇場 新国立劇場2014/2015シーズン公演モーツァルト作曲歌劇「ドン・ジョヴァンニ」(全2幕、イタリア語上演/字幕付)会場:新国立劇場オペラ劇場スタッフ指 揮:ラルフ・ヴァイケルト演 出:グリシャ・アサガロフ美術・衣裳:ルイジ・ペーレゴ照 明:マーティン・ゲプハルト合 唱:新国立劇場合唱団管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団出 演:ドン・ジョヴァンニ:アドリアン・エレート騎士長:妻屋秀和レポレッロ:マルコ・ヴィンコドンナ・アンナ:カルメラ・レミージョドン・オッターヴィオ:パオロ・ファナーレドンナ・エルヴィーラ:アガ・ミコライマゼット:町 英和ツェルリーナ:鷲尾麻衣感 想: 既に何度も観た演目で合唱も歌ったことも有る「ドン・ジョヴァンニ」だが、新国立公演はまだ観ておらず、2週連続の台風が去って秋晴れの中、初台まで出掛けた。 今回の演出は2008年新国立プリミエで3シーズン目の再演。時代設定、舞台、衣装とも原作通りで違和感なし。「ドン・ジョヴァンニ」は2幕ものだが、幕中の場面数が多く場面転換の方法がポイントになるが、新国立の舞台装置を上手く使い、運河の船着場でゴンドラで登場の場面から、上から瞬時に壁が降りてきて室内になったり、階段が出て来て街路になったり、奥からメリーゴランドが出て来て村の広場の場面に瞬時に転換され、音楽が途中で途切れること無く続き、演出が上手い。 最後の有名な地獄落ちも、煙とともにテーブルごと舞台が下がり、正に落ちていく印象で、衣装含め全体的にオーソドックスな演出で、小細工等なく、安心して楽しむことが出来た。 音楽の方も、先月二期会「イドメネオ」とは異なり、レチタティーヴォはチェンバロのみ、オケピットも空きスペースがある編成でテンポよく進んでいく。バンダの舞台上での演奏もあり、モーツァルトらしい音楽を楽しむことが出来た。 歌手の方も、皆さん役にあった歌声と容姿で、音量的に飛び出す所もなく、重唱もバランスが良かった。 その結果、音量的には少な目になり、4階席ではかなり遠目の演奏に聞こえてしまう結果に。出来れば1,000人以下のホールであれば全てバランスが取れるのでしょうが、興行的には致し方なしでしょうか。 新国立の再演では、来年の「ばらの騎士」を楽しみに。 End