「ブルックリンでオペラを」主役はアン・ハサウェイではなく
鑑賞日:2024年4月14日(日)10:00開演入場料:1,300円(シニア料金/K列)ブルックリンでオペラを/She Came To Me劇場:ヒューマントラストシネマ有楽町・シアター1上映時間:102分 / 製作:2023年(米) / 配給:松竹監督・脚本・プロデューサー:レベッカ・ミラー音楽:ブライス・デスナー主な出演者:スティーブン(作曲家):ピーター・ディンクレイジパトリシア(スティーブンの妻、精神科医) :アン・ハサウェイカトリーナ(タグボートの船長) :マリサ・トメイ マグダレナ(パトリシアの家政婦) :ヨアンナ・クリークトレィ(マグダレナの夫、裁判所速記者) :ブライアン・ダーシー・ジェームズジュリアン(パトリシアの息子):エヴァン・エリソンテレサ(マグダレナの娘、ジュリアンの恋人) :ハーロウ・ジェーン感想 アン・ハサウェイが主役扱いで宣伝・紹介されているが、本作品の主役はあくまで作曲家スティーブン役のピーター・ディンクレイジであり、アン・ハサウェイは一切歌わない。 5年程スランプでオペラ作曲出来ず、脚本家にも見放され、パトリシアから無理に犬の散歩に出掛けさせられたことで、女船長に会い、翻弄され、それを機会にオペラをつくり、大絶賛。その後は、子供達の恋愛事件で救世主となり・・・・。身長132cmでいい味出してる。 オペラ場面は少ないのだが、細部へのこだわりが凄い。 冒頭パーティー場面で、MET他多くのオペラ作品に出演しているカウンターテナーのアンソニー・ロス・コスタンツォがオペラ「カルメン」の“ハバネラ”を歌う。 カウンターテナーに歌わせることで、本作品が通常のラブストーリーとは違うことを暗示させる。 そしてタグボート船長のカトリーナからヒントを得て5年振りに作曲した「She Came To Me」の演出指導シーンでメゾソプラノのイザベラ・レナード登場。素晴らしい歌声と容姿だが、同席しているスティーブンの細かい注文に切れて追い出してしまう演技も上手い。 そしてラストのオペラ「Hurry, Hurry」はスペース・オペラ風でMET出演のデビット・サンチェスやジャズやブロードウェイで活躍のアリシア・ホール・モラン他の出演で本格的。 音楽のブライス・デスナーは、ロックミュージシャンでありながら、クラシック作曲、映画音楽も作り多才。BAMのあるブルックリンで演奏されそうな聞きやすい現代オペラ音楽に聞こえた。 予告編や宣伝とは大きなギャップを感じたが、そこが面白く、現代アメリカ社会の問題とともに、アメリカオペラ世界を少し感じられる作品でもあった。End