新国立トスカは定番演出で楽しめた
鑑賞日:2024年7月14日(日)14:00開演入場料:6,930円(C席 4階1列)【主催】(財)新国立劇場新国立劇2023/2024シーズンオペラ「トスカ」プッチーニ作曲全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉会場:新国立劇場オペラパレススタッフ指 揮 :マウリツィオ・ベニーニ演 出 :アントネッロ・マダウ=ディアツ美 術 :川口直次衣 裳 :ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティ照 明 :奥畑康夫再演演出:田口道子舞台監督:菅原多敢弘合唱指揮:三澤洋史合 唱 :新国立劇場合唱団児童合唱:TOKYO FM少年合唱団管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団出演トスカ :ジョイス・エル=コーリーカヴァラドッシ :テオドール・イリンカイスカルピア :ニカラズ・ラグヴィラーヴァ→青山 貴アンジェロッティ:妻屋秀和スポレッタ :糸賀修平シャルローネ :大塚博章堂 守 :志村文彦看 守 :龍進一郎羊飼い :前川依子感想 新国立劇場の今シーズンは、お金が掛からない近年の演目の再演ばかりで興味が湧かず、昨年10月オープニングの「修道女アンジェリカ/子どもと魔法」観て以来の訪問。「トスカ」の歌手と指揮者に期待して、猛暑の中、初台まで出掛けた。 人気演目の日曜日公演のため客席は満席。時間となり指揮者登場、オケのいきなりの大音量とともに幕が開く。 音楽はどんどん進んで行く印象だが、ダイナミズムの幅が大きく、プッチーニの音楽を感じることが出来て、イタリア人指揮者の功績でしょう。 歌手は、カヴァラドッシ役のテオドール・イリンカイが期待通りで、1幕「妙なる調べ」は素晴らしい。トスカとの重唱も良かった。 トスカ役ジョイス・エル=コーリーは新国立初登場でプロフィールにマリア・カラス賞受賞等書かれており期待したが、高音は十分届いているもののビブラートが多いリリコの声質で、トスカとしては迫力不足。それでも2幕「歌に生き恋に生き」は良かった。 スカルピア役は、当初予定ニカラズ・ラグヴィラーヴァが来日するも体調不良らしく、カバーの青山貴が出演。安定した歌声、演技で役をこなしていたが、スカルピアの悪役的表現は不足。1幕フィナーレのテ・デウムでもオケに消され気味だったのは残念。 合唱は、1幕フィナーレのテ・デウムの大音量、2幕の影歌は安定した歌声で、児童合唱も演技含め良かった。 演出は今シーズンで9回目とのことで(その内4回は観ているか)、余分な部分は切り取られ、舞台装置含め完成度の高い演出になっている。 所要があり2幕までの鑑賞となったが、料金分は楽しめた印象。 新国立劇場の来シーズンは打って変わって、初登場ベッリーニの「夢遊病の女」、ロッシーニ「ギヨーム・テル」、細川俊夫新作「ナターシャ」の新作品の他、脇園彩ロッジーナの「セビリアの理髪師」、サマンサ・ハンキー「カルメン」もあり、今から楽しみに。End