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カテゴリ:製作
その方の悲報が飛び込んできました。。
新年が明けても、ずっと心の奥に忘れ物をしたような気持ちを持ち続けてきました。。 悲報をお聞きした時は、あまりの突然に本当にビックリし、愕然として 涙がほほを伝わってきました。。でも年末の慌しい時期だったので・・ それからは慌しさにまぎれて、ゆっくり振り返る事もできないまま 新しい年を迎えました。。 その人は近代日本画家の巨匠・・平山郁夫画伯です。 ずっと若い頃から平山画伯の絵が大好きでした。 お会いした事はないのですが、ある時、画伯の自叙伝を読む機会があり、 ますます画伯の描かれる絵画に心引かれていきました。 どうしてもお別れがしたくて・・ お正月休みの最後の日、出かけてきました。。 しまなみ海道に入り、井口島北インターを降りて20分ほど 瀬戸田町という町の中ほど。。 海に程近い場所に純和風の外観のその美術館は建てられています。 入り口をくぐりぬけて・・・植え込み伝いに歩いていくと・・ 玄関が見えてきました^^ ロビーに入ると・・すぐに目に飛び込んできたのは・・・ 両サイドを生花で飾られたにこやかな笑顔の平山画伯の遺影でした。。 そしてすぐ上の壁には、画伯の本当の意味での画家としての出発点 になったといわれる“仏教伝来”の大作のレプリカが掲げてありました 側には記帳ノートも置かれてあり、遺影に手をあわせ、ご冥福を祈る と共に、記帳をさせていただきました。。 記帳させてもらった事で、やっと現実を受け止める事ができたような 気持ちがしています。 現在開催中の企画展は・・ “シルクロード西へ東へ”というタイトルで “マルコ・ポーロ東方見聞行”という大作とあわせての画伯の歩みをたどる 企画展でした^^ まずは幼少期の作品の数々。。。綺麗に保存された作品が年代を追うごとに 掲げてあり、鋭い観察力とデッサンの素晴らしさに驚かされます そして・・幼少期から学生時代の体験、その時々の作品、そしてご両親をはじめ ゆかりの方のスケッチの側には画伯の言葉でその溢れるおもいもつづられていました。 画家にはそれぞれに持っている色があると聞いた事がありますが・・ 玄宗画伯が“赤”なら平山画伯は瀬戸内の美しい景色に育まれた“深い青色”でしょうか。。 法隆寺や薬師寺など大和路を初めとする数々の寺院の作品、シルクロードを旅しての 作品の数々。 さらにはカンボジア・アンコールワット遺跡、中国敦煌遺跡、南京城壁など 滅び行く世界の文化遺産の保護の為に奔走されていたご様子などなど 功績を挙げればきりがないほど。。 展示室への通路には生誕からこれまでの歩みと共に、 お隣は韓国、北朝鮮からアジア、ヨーロッパ、 そしてアフリカ大陸、アメリカなど、100カ国は くだらないほどに全世界を訪問された様子が世界地図と共に 掲示してありました。 作品製作の傍ら、芸大学長として後進の指導、さらには 滅び行く世界文化遺産の保護、救済の為に東奔西走された画伯を突き動かしていたのは 絵のテーマ同様、平和な世界の実現というあの悲惨な体験から生かされた ものの使命ととらえ、多くの亡くなられた方々への悲壮なまでの想い。。 平山画伯の辿られた道のりを垣間見せていただき、今回改めて つくづく思い知らされました。。 2時間ほど・・ゆっくりと作品を見てまわり、しばしロビーで感慨に耽っていました。 ロビーからの中庭は綺麗に手入れがなされていましたが・・真冬の景色の中で 主の旅立たれた淋しさを感じてかひっそりとたたずんでいるようでした。。 平山画伯の残された数多くの業績が後世へと語り継がれ、是非後輩の方々によって 世界の平和を愛し、守り、受け継いで行ってほしい!と強く願わずにいられませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.01.12 22:23:48
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